Harness(ハーネス)がQ3 FY27製品アップデートを発表、GitOpsやパイプライン機能などを大幅に強化
Harness(ハーネス)は2026年11月4日、継続的デリバリーおよびDevOpsプラットフォームにおける「Q3 FY27(2026年8月〜10月期)」の製品アップデート情報を公開した。今回のリリースでは、GitOps、デプロイメント、リリースオーケストレーション、パイプラインの4領域にわたり、本番環境の安全性、自動化制御、ガバナンス、AIエージェント連携を向上させる新機能が多数導入されている。
[GitOps:運用の可視化とリポジトリー制御の強化]
GitOps領域では、本番運用の柔軟性とリポジトリー管理を向上させる機能が追加された。
・本番後ロールバック:パイプラインによるデプロイ完了後、Servicesダッシュボードから元の設定を再利用して直接アプリケーションをロールバックできる機能が提供された。
・同期状況の可視化:パイプライン外で実行された同期を含め、サービスインスタンスの詳細や状態が表示可能となったほか、UI上に親・子アプリケーションを一元管理できる「App of Apps」タブが新設された。
・PRパイプライン制御:Releaseリポジトリー更新時のGitHubステータスチェック送信、処理完了後の一時ブランチ自動削除、ワイルドカードを用いたファイルパスの一括照合、GitHub App経由での署名付きコミット作成がサポートされた。
・基盤と互換性:KustomizeマニフェストへのHarness Vaultプラグイン対応、GitOpsエージェントでのJEXL式サポート、Prometheus形式のエージェントメトリクス収集、最新の上流版となるArgo CD 3.5.6の同梱が実施された。
[Deployments:Kubernetes・AWSの高度制御とAIエージェント対応]
デプロイメント領域では、インフラ層の可視化や制御機能、および自律型AIエージェントのデリバリー機能が拡充された。
・KubernetesおよびHelm:Harness画面内からクラスターのリソースやデプロイ履歴を確認できるクラスタービュー、削除後7日間のログやイベントを保持するPodsタブ、事前検証用の「Helm Dry Run」ステップが追加されたほか、Helm v4およびKubernetes Gateway APIによるトラフィックルーティングがサポートされた。
・AWSインフラの制御:Auto Scaling Group(ASG)向けのWarm Pool対応、Blue-Greenデプロイ完了後の旧ASG完全削除、カナリアフェーズごとの段階的ロールバック、ECS Blue-Greenでの複数ALBリスナールール連携、トラフィック移行完了後の旧ECSサービスの自動ダウンサイズに対応した。
・AIエージェントデプロイ:Google Agent RuntimeやAWS Agent Core上で稼働する既存AIエージェントのインポート管理に対応した。さらに、AWS Agent Core向けにAgentCore Gatewayの自動管理による重み付けカナリア移行や、S3からの直接コード取得、AWS_IAMおよびJWTによる呼び出し認証が提供された。
・検証(AI Verify):AI Verify v2において判定感度設定(High/Medium/Low)が可能となったほか、New RelicのメトリクスやSplunkのログ、HTTP経由のカスタムヘルスソースの収集に対応し、分析結果へのフィードバック機能が追加された。
[Release Orchestration:追跡性向上とGit連携ガバナンス]
リリース管理領域では、成果物の追跡と構成管理のコード化が進められた。
・Artifact Tracker:セマンティックバージョニング(SemVer)による比較がデフォルトで有効化され、修正版(ホットフィックス)とメジャー版の差分比較が正確に行えるようになったほか、パイプライン起点リリースでの成果物自動関連付けが追加された。
・ターゲットごとのループ処理:指定したデプロイターゲット一覧に対してフェーズやアクティビティーを繰り返し実行する「Looping」機能が提供された。
・Git Experience:リリースプロセス、入力設定、アクティビティーの定義をGitリポジトリー移行(Move to Git)して双方向同期する機能や、アドホック実行時のブランチ選択機能が実装された。
・ガバナンスと権限:リリースグループの保存時およびリリース実行時のOPAポリシー評価が導入されたほか、プロセス作成とリリース実行を分離できるきめ細かい権限設定が追加された。
[Pipeline:並列実行制御と自社環境でのポリシー評価]
パイプライン基盤では、実行制御の柔軟性とセキュリティーガバナンスが強化された。
・実行制御の最適化:アカウント全体の並列実行枠を優先度(High/Low)で分割管理するパーティーション機能、DAGパイプラインにおける特定ステージのみの選択的実行、プロジェクトや組織間でのパイプライン移動、完了後のタグ付与APIが追加された。また、OIDCを介して各種クラウドに安全に接続する「Pipeline identities」が導入された。
・入力フォームと変数:条件に応じた入力項目の動的表示や入力値制限を設定できるカスタマイズ可能な実行フォームが追加されたほか、空文字列("")をnullに変換せず保持する設定や、ステップ単位の一時停止(ブレークポイント)が可能となった。
・Policy as Codeの拡張:OPAポリシーセットを自社のKubernetesやVM環境上で直接実行できるようになり、プライベートネットワーク内のシステムと連携したポリシー検証が可能となった。あわせて、ポリシー変更の影響範囲を過去30日間の実行データに基づいて保存前に試算する「Blast Radius Analysis」がエディターに追加された。
出典:Harness
この製品の詳細については、Harness製品ページをご覧ください。