採用時のバックグラウンドチェック(経歴の確認)は、SOC 2やISO 27001の監査で、新しく入社した要員について確かめられる項目です。Drataでは、連携したサービスから記録を取り込むか、外部で行ったチェックの証跡を要員の記録に付け、モニタリングテストで確かめます。このページでは、採用時のバックグラウンドチェックの記録として、SOC 2とISO 27001で求められる範囲、連携できるバックグラウンドチェックのサービス、記録の一括インポートを説明します。
SOC 2とISO 27001で求められる範囲
ヘルプセンターでは、フレームワークごとに次のように説明しています。どこまで行うかは、監査人とも相談して決めます。
| 論点 | SOC 2 | ISO 27001 |
|---|---|---|
| 義務か | 明示の要件ではないが、新しく入社する人の犯罪歴の確認を、雇用の条件として行うことが勧められる。監査人は、行っていることを信頼できる運用の表れとして見る | 附属書Aの管理策6.1(選考)の実施の手引きが、全ての従業員と業務委託者に勧めている。どの種類の確認を行うかには幅がある |
| 確かめる内容 | 何を確かめるかは組織が決める | 犯罪歴、本人確認、職歴、照会、能力、学歴、資格、技能の試験などから、1つか組み合わせを選ぶ |
| 既存の社員 | 全員に行うのが望ましいが、監査人が確かめるのは、新しく入社した従業員と業務委託者であることが多い | 同じ。実施の手引きは全員に勧めているが、監査人が確かめるのは新しく入社した人であることが多い |
| 業務委託者 | 個人で契約する業務委託者には行うことが勧められる。外部の会社から受け入れる場合は、その会社が行っていることを確かめる | 個人の業務委託者には行うことが勧められる。外部の会社から受け入れる場合は、責任の分担を契約で決める |
| 国の法律で行えない場合 | 採用する人の経歴と技術的な能力を評価し、その記録を要員ごとにアップロードする。例外の理由も記録に残す | その国の法律が考慮される。最低限は本人確認 |
| 頻度 | ― | 実施の手引きは定期的な確認を勧めているが、事業の判断とリスクアセスメントによる |
Drataのテストは、在籍中の従業員(Employee Background Checks)と業務委託者(Contractor Background Checks)のそれぞれについて、入社前にバックグラウンドチェックが済んでいるかを確かめ、済んでいない人の一覧を示します。チェックを求めない要員は、理由を付けてBackground Checkの確認項目を除外します(対象外の要員とサービスアカウント)。
チェックの進め方を選ぶ
バックグラウンドチェックの進め方は、Settings → Personnel complianceのHuman ResourcesタブのBackground checksの欄で選びます。設定できるのは、AdminとPersonnel Compliance Managerのロールのユーザーです。
Human ResourcesタブのBackground checksの欄。Drataの提携先のサービスを使うか、完了したチェックをアップロードするかを選ぶ
| 進め方 | 内容 | 向いている場合 |
|---|---|---|
| Drataの提携先のサービスで、要員が新しくチェックを始める | 要員がMy Drataの入社時の作業で、提携先のサービスのチェックを始める | 提携先のサービスを使う。My Drataで米国のチェックを始めてもらいたい |
完了したチェックを、Personnelページで要員ごとにアップロードするか、連携で取り込む | チェックはDrataの外で行い、結果をDrataに記録する | 採用の前にチェックを済ませる。Drataの外でチェックを行う |
設定は、実際の採用の手順に合わせます。設定と実際の手順が合わないと、監査で問題になります。
連携できるサービス
| サービス | 特徴 |
|---|---|
| Checkr | 記録が自動で同期される。米国と米国外のチェックに対応し、地域ごとにMy Drataで要員が始めるパッケージを選べる。My Drataで選ばなくても、見つかったチェックは同期される |
| Certn | Drataからチェックを始め、結果の概要を保存する。米国、カナダ、米国外のチェックに対応。EUの顧客は使えない。ヘルプセンターでは、米国外のチェックの連携として主にCertnを挙げている |
| KarmaCheck | 新しく入社する人が、Drataの入社時の作業でチェックを行う。Drataには結果の概要だけが渡る |
| Vetty | Drataからチェックを送り、結果がWebhookで自動で返る |
| HireRight | HireRightで行ったチェックの記録を、CSVファイルでDrataにアップロードする |
連携の作業は、Admin、Workspace Manager、DevOps Engineerのロールのユーザーが行えます。連携した後に、Human ResourcesタブのBackground checksの欄で、そのサービスを使う設定を選びます。CheckrとKarmaCheckで米国外のチェックを行った場合は、証跡を手作業でアップロードすることが勧められています。
取り込んだ記録を要員に対応付ける
Drataは、連携したサービスから毎晩(米国太平洋時間)記録を取り込みます。記録の主な識別子は、チェックに使ったメールアドレスで、多くは本人の個人のメールアドレスです。Drataは、このアドレスを、人事システムの個人のメールアドレス、仕事のメールアドレス、姓名の順に照らして、要員に自動で対応付けます。
【注意】 Factorial、HR Partner、Insperity Premier、OysterHR、TriNetの人事システムは、個人のメールアドレスをDrataに渡さないため、仕事のメールアドレスと姓名だけで照合されます。対応付かない記録は、
ConnectionsのManage accountsのBackground Checksのページで、要員を選んで対応付けます。チェックに使うメールアドレスを、人事システムに登録した個人か仕事のメールアドレスとそろえておくと、対応付けのずれを防げます。
外部で行ったチェックの証跡を付ける
Drataと連携していないサービスでチェックを行った場合は、要員ごとに証跡を付けます。証跡の文書は、Google Drive、Dropbox、社内の保管場所などに置き、DrataからはURLで参照するか、ファイルをアップロードします。この操作は、AdminかInformation Security Leadのロールのユーザーが行えます。
Governance→Personnelで、要員を開きます。Background checkの行の…のメニューで、Upload evidenceを選びます。Add background checkの画面で、証跡のURL(またはファイル)と、チェックが済んだ日を入れます。Saveを選びます。
要員の詳細の画面。Background checkの行のメニューからUpload evidenceを選ぶ
証跡には、チェックのサービスの報告書、証明書、画面などで、チェックが済んだこと、済んだ日、サービスの名前や方法が分かるものを使います。
【注意】 URLの参照先は、Drataの管理者が開けるようにし、要員本人には法律で求められる場合にだけ開けるようにします。社会保障番号、生年月日、必要のない正式な氏名など、不要な個人情報を含む文書を参照しないでください。
記録を一括インポートする
完了したチェックの記録を自社で保管している場合は、複数の要員の分をまとめて取り込めます。各行はメールアドレスで要員に対応付けられ、対応する要員がいない行は受け付けられません。
Governance→Personnelで、一覧の…のメニューからBulk import→Background checksを選びます。- CSVファイルをアップロードするか、画面の表に貼り付けるか入力します。
- ファイルの列を、Drataの項目に対応付けます。必要に応じて値も対応付けます。
- 検証の結果を確かめ、赤のセルの誤りを直すか、その行を除きます。
- 内容の確認の画面で確定します。
Personnelページの…のメニュー。Bulk importからBackground checksを選ぶ
| 項目 | 必須 | 規則 |
|---|---|---|
Personnel email address | 必須 | Drataにいる在籍中か退職済みの従業員か業務委託者のメールアドレス。入社予定者と対象外の要員は受け付けられない |
Background check completion date | 必須 | 今日以前の日付 |
Background check location | 必須 | 報告書のURL。Drataは形式だけを確かめ、ファイルがあるかや開けるかは確かめない |
取り込んだ記録は、まとめて1回で書き込まれ、送信の時点で問題があると取り込まれません。
| 要員の状況 | 取り込んだ結果 |
|---|---|
| 手作業の証跡がない | 証跡が加わり、バックグラウンドチェックが済んだ扱いになる |
Background checkの確認項目を除外している | 証跡は加わるが、除外の扱いのまま |
| 既に手作業の証跡がある | 手作業の記録は1人1件だけのため、その行は検証で止められる |
【運用のポイント】 一括インポートで保存されるのは報告書へのリンクで、ファイルそのものではありません。報告書は、自社の保管場所に置き続けてください。Checkrなどの連携の記録は、一括インポートとは別に扱われます。