監査では、監査の対象期間に誰が在籍していたか、退職した人のアクセスが期限内に外されたかが問われます。人事システムをDrataにつなぐと、入社日、退職日、雇用状態が自動で要員の情報に反映され、こうした判断の根拠をそろえられます。このページでは、人事システムとの連携として、入社日と退職日を要員の情報に反映する仕組み、連携できる人事システムがない場合の手動での取り込み、雇用状態がずれたときの直し方を説明します。
人事システムをつなぐと変わること
Drataでは、人事システムが、雇用状態、入社日、退職日の正となる情報源(監査人が根拠とする情報源)として扱われます。人事システムの連携は必須ではありませんが、勧められています。IDプロバイダーはアクセスと多要素認証の確認に、人事システムは入社から退職までの管理に使い、両方をつなぐ組織が多くあります。
| 項目 | IDプロバイダーだけの場合 | 人事システムもつないだ場合 |
|---|---|---|
| 入社日 | IDプロバイダーのアカウントを有効にした日 | 人事システムの入社日 |
| 退職日 | IDプロバイダーのアカウントを無効にした日 | 人事システムの退職日 |
| 雇用状態 | 上の日付から、在籍中か退職済みかを推定する | 人事システムの入社日と退職日から判断する |
| 業務委託者かどうか | 推定されず、手作業で設定する | 人事システムの情報を使う |
| 退職者の記録 | IDプロバイダーから消えると追いにくくなる | IDプロバイダーから消えても、監査の記録のためにDrataに残る |
入社日と退職日は、監査の対象期間に誰が対象になるかを決め、雇用状態は、入社時と退職時の作業が必要かどうかを決めます。退職者は、アクセスの削除と退職時の作業が済んだかを確かめる対象になります。IDプロバイダーの日付が人事の正式な記録と合わない場合は、手作業での修正が必要になります。
入社日と退職日が要員の情報に反映される仕組み
人事システムをつなぐと、Drataは24時間ごとに少数のAPIの要求を送り、決まった少数の項目だけを読み取ります。Drataは人事システムのデータを変更しません。
| 区分 | 項目 |
|---|---|
| 読み取る項目(人事システムによる) | 姓名、仕事のメールアドレス、個人のメールアドレス、雇用状態、入社日、退職日、役職、上司、チームやグループ、社員番号など |
| 読み取らない項目 | 社会保障番号、生年月日、性別や民族、自宅の住所や所在地、婚姻の状況、電話番号、給与のグループや報酬、勤務地 |
個人のメールアドレスは、バックグラウンドチェックの提供元やバージョン管理のアカウントなど、個人のメールアドレスを使うほかの連携の記録を、要員に対応付けるために使われます。
人事システムとIDプロバイダーの両方をつなぐと、Drataは両方の記録を自動で対応付けます。対応付けにはメールアドレスを使い、メールアドレスで対応付けられないときは姓名を使います。確実に対応付けられなかった記録は、Personnelページで雇用状態がUnknownになります。
つなぎ方
人事システムとの連携には、人事システムの管理者のアクセスと、DrataのAdminのロールが必要です。
ConnectionsのAvailableタブで、HRISのカテゴリーに絞り込みます。- つなぐ人事システムを選びます。
- 画面の手順に従ってつなぎます。
連携できる人事システムの最新の一覧は、ConnectionsのHRISのカテゴリーで確かめられます。設定の途中で、一部の人事システムが給与のデータへのアクセスを求めることがありますが、Drataは給与のデータを使わず、同期もしません。
【運用のポイント】 人事システムとの連携は、IDプロバイダーの連携を済ませてから設定します。メールアドレスの表記(姓と名の区切り、大文字と小文字など)が、人事システムとIDプロバイダーで食い違っていないかを、先に確かめておくと、
Unknownの記録や重複した記録を減らせます。
複数の人事システムを使う
地域や子会社ごとに別の人事システムを使っている場合は、複数をつなげます。同じ人が複数の人事システムにいる場合、名前、メールアドレス、入社日、雇用状態は、優先順位の最も高い人事システムの情報が使われます。優先順位は、IDプロバイダーと同じく、連携の詳細の画面のConfigure connection priorityで決めます。
退職した人の場合は、人事システムごとに退職日が違えば、有効な連携のうち最も新しい退職日を持つ人事システムの情報が使われます。退職日が同じなら、優先順位の最も高い人事システムの情報が使われます。
連携できる人事システムがない場合
人事システムをつながない場合は、次のいずれかの方法で、雇用状態と日付を管理します。
| 方法 | 内容 | 注意すること |
|---|---|---|
Personnelページで手作業で直す | 要員ごとに、雇用状態、入社日、退職日を直す | 手作業で直すと、その人のIDプロバイダーとの同期が止まる |
| 一括で取り込む | 名前、メールアドレス、入社日、退職日、雇用状態を書いたファイルをアップロードする | 継続的な手作業になり、処理に時間がかかることがある。同期も止まる |
| Drata APIで更新する | 社内の仕組みから、Drata APIで要員の記録を更新する | 開発の手間がかかる。APIでの更新も手作業の更新として扱われ、同期が止まる |
| Oktaのカスタムの属性を使う | Oktaを使っている場合、drataStartDate(入社日)とdrataContractor(業務委託者かどうか)の属性をOktaに加える | 同期は止まらない。退職日は扱えず、Oktaのアカウントを無効にした日になる |
要員の情報を手作業やCSVファイルで登録する方法は要員のデータの取り込み、Drata APIはDrata APIとMCPで説明します。
雇用状態がずれたときの直し方
要員が見つからない、名前が違う、雇用状態が想定と違う、といった場合は、原因のほとんどが、IDプロバイダー、人事システム、Drataでの手作業の変更のいずれかにあります。直す前に、次のことを確かめます。
- 連携先での変更は、反映に最長で24時間かかる
- 仕事のメールアドレス、名前、アカウントの状態、グループ、雇用状態、入社日、退職日を、IDプロバイダー、人事システム、Drataで比べる
PersonnelページのSync statusで、手作業の変更で同期が止まっていないかを見る
Personnelページの一覧。Sync statusの列で、要員ごとに同期が続いているか止まっているかを確かめられる
| 表示 | 主な原因 | 直し方 |
|---|---|---|
Unknown | 人事システムの記録が足りない(メールアドレスや姓名がない)。メールアドレスや名前がIDプロバイダーと完全には一致しない。連携が切れている | 人事システムの記録を補い、IDプロバイダーと表記をそろえる。Connectionsで連携の状態を確かめ、同期し直す |
| 在籍中なのに退職済み | 人事システムに退職日や退職の状態が入っている。Drataで手作業で変更した。OktaのグループからIDが外れた | 人事システムの記録を直す。同期が止まっていれば再開する。Oktaの同期するグループに入っているかを確かめる |
入社予定者(Future hire)のまま | 入社日が未来の日付になっている | 人事システムで入社日を直し、次の同期を待つ。Drataで手作業で入社日を入れた場合は、その画面で直す |
| 名前が違う | 人事システムの名前が違う | Drataで何度も直すのではなく、人事システムの記録を直してから同期し直す |
入社予定者は、対象外の要員と同じく、コンプライアンスの確認とテストの対象になりません。入社日が未来の間は、雇用状態を変えられません。
同期を再開する
Drataで要員の雇用状態や日付を手作業で変えると、その人の情報が上書きされないように、IDプロバイダーと人事システムとの同期が止まります。同期を再開すると、手作業で入れた値は、連携先の値で上書きされます。
| 対象 | 操作 |
|---|---|
| 1人 | Governance → Personnelで要員を開き、「…」のメニューでRe-enable IdP/HRIS syncを選ぶ |
| 複数 | Sync statusのフィルターで同期が止まっている要員を絞り込み、チェックボックスで選んで、More → Re-enable IdP/HRIS syncを選ぶ |
Personnelページで要員を選び、Moreのメニューから同期を再開する画面
【注意】 退職の手続きでは、まず人事システムに正式な退職日と雇用状態を入れ、IDプロバイダーでアカウントを無効にして、同期するグループから外します。すぐにアクセスを止める必要があるときは、IDプロバイダーのアカウントを先に無効にし、直後に人事システムを更新します。Drataの要員の記録は削除しないでください。削除すると、過去のコンプライアンスの記録と退職時の作業の証跡が失われます。また、退職者の仕事のメールアドレスを、記録を分けないまま新しい社員に使い回さないでください。
雇用状態の種類と、入社と退職の管理は、雇用状態と入社・退職の管理で説明します。