多くのフレームワークは、業務に使う端末が安全に設定されていることを求めています。Drataでは、Drata Agent、MDM、手作業でアップロードした証跡をもとに、要員ごとに端末の5つの確認項目を確かめ、モニタリングテストで評価します。このページでは、端末について確認される項目として、画面ロック、ディスクの暗号化、ウイルス対策、パスワードマネージャー、自動更新の判定と、基準を満たさない端末を社員に直してもらう流れを説明します。
確認される5つの項目
Drataは、社員の端末について次の5つを確かめます。各項目には、対応するモニタリングテストがあります。
| 確認項目 | 画面の表記 | モニタリングテスト |
|---|---|---|
| 画面ロック | Lock Screen | Screensaver Lock Required on Employee Computers(Test 61) |
| パスワードマネージャー | Password Manager | Password Manager Records on Employee Computers(Test 63) |
| ウイルス対策 | Antivirus | Malware Detection Software Installed on Employee Computers(Test 64) |
| 自動更新 | Auto Updates | Security Patches Auto-Applied on Employee Computers(Test 65) |
| ディスクの暗号化 | Disk Encrypted | Hard-Disk Encryption Enabled on Employee Computers(Test 66) |
テストは、基準を満たさない端末がある場合に失敗し、該当する端末や要員の一覧を示します。社内の規程(行動規範など)で、ヘルプセンターの基準とは別の設定を決めている場合もあるため、社員への案内は社内の規程に合わせます。
項目ごとの判定
画面ロック
一定の時間操作がないと、画面が切り替わり、解除にパスワードが必要になる設定です。Drata Agentを使う場合も、MDMから同期する場合も、この設定が必要です。
ヘルプセンターでは、操作がなくなってから15分以内に、画面がロックされてパスワードが求められることを基準にしています。例えば、10分でスクリーンセーバーが始まり、その5分後にパスワードを求める設定なら、合計で15分を超えないため基準を満たします。
| OS | 基準を満たす設定(どれか1つでいい) |
|---|---|
| macOS | 画面の設定:スクリーンセーバーが始まるまでの時間を15分以内にし、スクリーンセーバーの開始後やディスプレイのオフの後に、すぐにパスワードを求める。またはディスプレイの設定:すぐにパスワードを求め、バッテリーと電源アダプターの両方で、ディスプレイがオフになるまでの時間を15分以内にする |
| Windows | スクリーンセーバーの設定:なし以外のスクリーンセーバーを選び、待ち時間を15分以内にし、再開時にサインインの画面を表示する。またはスリープの設定:電源につないだときとバッテリーのときの両方で、15分以内にスリープし、スリープからの再開時にサインインを求める。またはグループポリシー:Interactive logon: Machine inactivity limitを1〜15分にする |
| Ubuntu | 画面の設定:画面が消えるまでの時間を15分以内にし、自動の画面ロックを有効にして、画面が消えたときにロックする。または自動のサスペンド:バッテリーと電源の両方で、15分以内にサスペンドする |
【注意】 Windowsでグループポリシーの
Interactive logon: Machine inactivity limitに0より大きい値を設定すると、ほかの画面ロックの設定は無視されます。グループポリシーで設定した項目は社員が変えられないため、IT管理者が値を1〜15分にします。エージェントの同期の後もテストが成功しない場合は、端末を再起動して、グループポリシーが適用されていることを確かめます。
ヘルプセンターでは、macOSはSonoma 14.4.1以降、WindowsはWindows 11、UbuntuはUbuntu 22とGNOMEにすることを勧めています。
パスワードマネージャー
会社が認めたパスワードマネージャーが端末に入っているかを確かめます。対応するパスワードマネージャーには、1Password、Bitwarden、Dashlane、Keeper、LastPass、NordPass、KeePass、Enpassなどがあります。
| 集め方 | 基準を満たす場合 |
|---|---|
| Drata Agent | 対応するパスワードマネージャーのデスクトップのアプリか、ブラウザーの拡張機能が入っている(OSを問わない) |
| MDM | 対応するパスワードマネージャーのデスクトップのアプリが入っている。JumpCloudとの連携に限り、対応するChromeの拡張機能も基準を満たす |
【注意】 Chromeに組み込まれたパスワードの保存機能など、ブラウザーそのものの機能は、セキュリティーと監査の要件から、パスワードマネージャーとして認められません。また、macOSの標準のパスワードの管理機能は、使われているかを確かめる方法がないため、Drataでは確かめていません。使っているパスワードマネージャーが認識されない場合は、正規販売代理店(デジタルアクセルズ)にご相談ください。
ヘルプセンターでは、パスワードマネージャー自体の設定として、強いロック解除のパスワードを設定すること、5分間操作がないときとスリープのときに自動でロックすることを勧めています。
ウイルス対策
ウイルス対策のソフトウェアが端末に入っているかを確かめます。
| 集め方 | 基準を満たす場合 |
|---|---|
| Drata Agent | 対応するウイルス対策のソフトウェアが入っている(OSを問わない)。WindowsではMicrosoft Defenderでも基準を満たす。macOSでは、OSの版が10.16以降なら基準を満たす |
| MDM | 対応するウイルス対策のソフトウェアが入っている。または、必要なウイルス対策のポリシーがMDMにあり、端末に割り当てられ、端末が準拠している。WindowsのMicrosoft Defenderと、macOSの10.16以降の扱いはDrata Agentと同じ |
対応するウイルス対策のソフトウェアには、CrowdStrike、SentinelOne、Sophos、Bitdefender、Malwarebytes、Trend Micro Apex One、Microsoft Defenderなどがあります。一覧にないソフトウェアを使っている場合は、正規販売代理店(デジタルアクセルズ)にご相談ください。
macOSで対応するソフトウェアを入れていない場合は、OSに組み込まれたXProtectとGatekeeperが有効になっていることを確かめます。XProtectはSoftware Updateの詳細の設定で、セキュリティーの更新とシステムのデータファイルをインストールする選択肢を有効にします。GatekeeperはPrivacy & Securityで、App Storeと確認済みの開発元からのアプリだけを許可します。どちらも有効でなく、対応するソフトウェアも見つからない場合に、確認項目は失敗します。
【注意】 SentinelOneなどのEDRの製品をつないでいる場合、ウイルス対策の確認項目は、EDRの情報だけで判定されます。その端末では、Drata AgentやMDMの情報には切り替わりません。また、全ての要員で端末の確認項目を除外していると、評価する対象がなくなり、テストが失敗し続けることがあります。
自動更新
OSのセキュリティーの更新が自動で適用されるかを確かめます。
| 集め方 | 基準を満たす場合 |
|---|---|
| Drata Agent | OSが、セキュリティーの更新を自動で適用するように設定されている。macOSでは、Software Updateの自動更新を有効にし、詳細の設定の選択肢を全て有効にする |
| MDM | 自動更新のポリシーがMDMにあり、端末に割り当てられ、端末が準拠している。Microsoft Intuneでは、コンプライアンスポリシーの最低限のOSの版で評価する |
ディスクの暗号化
端末のディスクが暗号化されているかを確かめます。
| 集め方 | 基準を満たす場合 |
|---|---|
| Drata Agent | ディスクが暗号化されている。macOSはFileVault、WindowsはBitLockerを有効にする。WindowsのHomeエディションではBitLockerを使えない |
| MDM | ディスクの暗号化のポリシーがMDMにあり、端末に割り当てられ、端末が準拠している |
Ubuntuでは、Drata Agentでディスクの暗号化を確かめられないため、暗号化されていることを示すスクリーンショットを、証跡として手作業でアップロードします。
特別な扱いが必要な端末
Chromebook
Chromebookは、セキュリティーの機能が既定で有効になっているため、設定を画面で示しにくい項目があります。ヘルプセンターでは、Googleが公開しているChromebookのセキュリティーの資料を使う方法を示しています。
| 確認項目 | ヘルプセンターが示す方法 |
|---|---|
| ディスクの暗号化 | 既定で満たされるため、Googleの資料を証跡にする |
| 自動更新 | 既定で有効だが無効にもできるため、自動更新の設定のスクリーンショットを出す |
| 画面ロック | 対応している機種なら、設定のスクリーンショットを出す。対応していない機種は、監査人と扱いを相談する |
| パスワードマネージャー | Chromeウェブストアからパスワードマネージャーを入れ、スクリーンショットを出す |
| ウイルス対策 | 他社のウイルス対策を入れることが勧められる。標準の保護で十分と判断する場合は、監査人の同意を得てGoogleの資料を使う |
Chromebookを主に使っている組織では、Google WorkspaceのMDMの機能(Google Admin)を有効にして、端末の設定を管理することが勧められています。
私物の端末(BYOD)
社員の私物の端末を業務に使う場合も、SOC 2やISO 27001の端末のコントロールがなくなるわけではありません。ヘルプセンターでは、次のように進めることを勧めています。
- 私物の端末の業務での利用を、ポリシー(
Acceptable Use Policy、Asset Management Policy、Information Security Policyのいずれかか、独立したBYODのポリシー)で正式に認めます。 - ポリシーで、5つの確認項目の設定を社員に求め、MDMへの登録、Drata Agentのインストール、スクリーンショットの提出のいずれかで、設定を示すことに協力してもらいます。設定を「求める」か「勧める」かは、国や地域の法令で私物の端末に求められる範囲が変わるため、人事と法務の担当者と確かめてから決めます。
- 証跡を集められない項目は、代わりのコントロールを検討します。代わりのコントロールを認めるかは、監査人が判断します。ISO 27001では、適用宣言書の端末に関係する管理策の備考に、代わりに行ったことを書きます。
基準を満たさない端末を直してもらう
1. 直す必要がある端末を見つける
Compliance→Monitoringで、端末のテストのうち失敗しているものを開き、Findingsタブで基準を満たさない端末や要員を確かめます。Governance→Personnelでは、Device Complianceの列と絞り込みで、端末の確認項目を満たしていない要員を確かめます。複数の端末を持つ要員は、列に端末の台数が表示されます。- 要員を開くと、
Devicesの欄に端末ごとの準拠の状態、OS、識別子が表示されます。端末を選ぶと、詳細を確かめられます。
テストの結果の読み方は、テストの結果を読み解くで説明しています。
2. 社員に設定を直してもらう
対象の社員に、基準を満たしていない項目と、会社が決めた設定を伝えて直してもらいます。Personnelページで要員を選び、Send reminder emailで催促のメールを送ると、社員はMy Drataに案内されます。催促のメールは、社員が自分で済ませられる作業が残っている要員にだけ送れます。
My Drataの各作業には手順の案内が表示され、作業が済んだか、対応が必要かが分かります。
3. 直した結果を反映する
| 集め方 | 反映のされ方 |
|---|---|
| Drata Agent | エージェントは1日1回動くため、設定を直しても、すぐには完了にならない。すぐに反映したいときは、社員がDrata AgentのメニューでSync nowを選ぶ |
| MDM | MDMのポリシーを直し、端末がポリシーに準拠するのを待つ。Drataには、毎晩の同期の後に反映される |
Drata Agentのメニュー。端末の設定の状況が表示され、Sync nowで同期をやり直せる
4. 自動で確かめられない項目は証跡をアップロードする
Drata AgentやMDMで確かめられない項目(Ubuntuのディスクの暗号化など)は、証跡を手作業でアップロードします。日時が写ったスクリーンショットを使うことが勧められています。
| アップロードする人 | 方法 |
|---|---|
| 社員 | My Drataで、端末ごとにView / Upload Evidenceからアップロードする。Workstation configuration monitoringでManually via personnel uploading evidenceを有効にしている場合に使える |
| 管理者 | Personnelページで要員を開き、Devicesの欄で端末を選んでアップロードする。設定によらず、いつでも使える |
端末が登録されていない要員には、Manually Configuredの端末が表示され、この端末に証跡をアップロードします。
確認項目が当てはまらない要員
会社が管理しない私物の端末を使う業務委託者など、端末の確認項目が当てはまらない要員は、理由を付けて端末の確認項目を除外できます。除外は要員ごとで、端末を1台ずつ除外することはできません。対象外の要員とサービスアカウントで説明しています。