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Enterprise Password Managerの導入設計 / アカウントとテナントの設計

アカウントの作成とサインインアドレスの決定

1Passwordでアカウントを作成し、サインインアドレスを決める方法を説明します。作成前に決めるリージョン、作成者、メールアドレス、全員を招待する前に済ませる8つの工程、遡って適用されないアカウントパスワードのポリシー、サインインアドレスの決め方、後から変えたときに全員、統合と自動化、Unlock with SSOに及ぶ影響、変更の手順と告知について解説します。

目次

1Passwordの導入は、組織のアカウントを1つ作るところから始まります。アカウントを作った人はそのまま所有者になり、アカウントには組織専用のサインインアドレスが付きます。サインインアドレスは後から変えられますが、全員のEmergency Kitの取り直しや、統合に使うトークンの差し替えが伴います。招待を始める前に決めておくのが、最も手戻りの少ない進め方です。このページでは、作る前に決めること、作成直後に済ませる順序、サインインアドレスの決め方と変え方を説明します。リージョンの選び方はリージョンの選択とデータの保管場所、アカウントを複数に分けるかどうかはテナント構成の選択(単独、親子、グループ会社、MSP)で扱います。

作る前に決めること

アカウントを作る前に、決めておくことが3つあります。

決めること考え方
リージョンUS、CA、EUの3つから選びます。データは選んだリージョンに置かれ、後から自動で移ることはありません。変えるには別のリージョンにアカウントを作り直し、データを移すことになります
作る人作った人が最初の所有者になります。アカウントの最終責任を今後も持つ、情報システム部門の責任者などが作ります
作る人のメールアドレス実際に受信できる会社のアドレスを使います。招待、復旧、新しい端末からのサインインの知らせは、全てメールで届きます

導入を支援する外部の担当者がアカウントを作ると、その人が所有者として残ります。社内の担当者が作り、外部の担当者は後から招待する順序にしてください。

作成直後に済ませる順序

アカウントができたら、全員を招待する前に次の順で進めます。後の工程ほど、先の工程が決まっていることを前提にしています。

  1. 自分のEmergency Kitを保存します。所有者が全員サインインできなくなったときに、アカウントへ入る最後の手段です。保管の方法はEmergency Kitの運用で扱います。
  2. サインインアドレスを確定します。決め方は次の節で説明します。
  3. アカウントパスワードのポリシーを決めます。このポリシーは遡って適用されません。先に参加した人は、パスワードを変えるか復旧を受けるまで、古い条件のままです。設定はアカウントパスワードポリシーで扱います。
  4. 1Passwordからのメールを受け取れるようにします。アカウントに関わる知らせは1password.comのドメインから届きます(CAとEUのリージョンでは1password.caと1password.euです)。迷惑メールの判定やメールの受信制限で止まらないよう、除外の設定をしておきます。
  5. 2人目の所有者を招待し、所有者に加えます。自分のアカウントは自分では復旧できないためです。招待した人の確認が済んだら、人で本人を選び、グループのタブの管理から所有者に入れます。人選は所有者と管理者の設計で扱います。
  6. 会社のドメインを検証し、社員が組織の外にアカウントを作れない状態にします。手順はドメインの検証とアカウント作成の制御で扱います。
  7. チームメンバーの保管庫の作成を残すかどうかを決めます。既定のままだと、参加した人が誰でも共有保管庫を作れます。考え方は組み込みグループの役割で扱います。
  8. 全員の招待を始めます。招待の方式は手動、自動プロビジョニング、SCIM Bridgeの比較で選びます。

サインインアドレスの決め方

サインインアドレスは、サイドバーの設定で確認と変更ができます。決めるのはアドレスの前の部分だけです。使える文字は英字、数字、ハイフンで、後ろにはリージョンのドメインが固定で付きます。ほかの組織が使っている文字列は選べず、入力欄の下にその旨が表示されます。

サインインアドレスの入力欄
入力するのは前の部分だけで、後ろのドメインは固定で表示される(画像は英語表示)

文字列は、組織が続く限り変わらない語にします。社名の略称や、グループ全体で使うならグループ名が候補です。導入の案件名、部署名、試用中であることを示す語は避けます。社名の変更や統合が予定されている場合は、変更後の名前で作ると手戻りがありません。

社員がこのアドレスを入力する場面もあります。新しい端末で初めてサインインするときや、アドレスを尋ねられたときです。Emergency Kitにも記載されます。電話口で伝えられる程度に短くし、ハイフンを続けるような紛らわしい形は避けてください。

後から変えると起きること

変更は保存した時点で反映され、アカウントが止まる時間はありません。それでも、影響は次の3つの範囲に及びます。

全員に及ぶもの

全員が新しいアドレスの入ったEmergency Kitを取り直す必要があります。変わるのはアドレスだけで、Secret Keyなどはそのままです。1Password.comをブックマークしている人は、登録し直します。アプリは、30日以内にロックを解除すれば変更を自動で認識します。この期間を過ぎた人と古いバージョンを使っている人は、アプリでサインインし直すことになります。

統合と自動化

自動プロビジョニングを使っている場合は、保留中の招待を送り直します。SCIM Bridgeを使っている場合は、scimsessionファイルを作り直し、ベアラートークンを更新します。Oktaのダッシュボードに1Passwordのタイルを置いている場合は、サインインのURLを直します。Secrets Automationのワークフローは作り直しになり、Connectサーバーのトークンの発行し直しと、サービスアカウントのトークンの差し替えも必要です。

Unlock with SSOを使っている場合

IDプロバイダー側で、リダイレクトURIを新しいアドレスに合わせて更新します。ブラウザー拡張機能を使っている人は、変更後にブラウザーを再起動します。新しいアドレスを開くと、暗号鍵の移し替えを求められます。アプリも拡張機能も使わず1Password.comだけで利用している人は、アカウントの復旧が必要です。古いアドレスは、変更から最大30日間は開けます。

サインインアドレスを変える手順

変更できるのは、所有者、管理者、設定の管理を持つグループのメンバーです。

  1. 1Password.comにサインインし、サイドバーの設定を選びます。
  2. サインインアドレスの欄に、新しい文字列を入力します。
  3. 欄の下に使える旨が表示されたことを確かめてから、設定を保存します。

【注意】 Unlock with SSOを使っている組織では、IDプロバイダーの管理者と日時を決め、リダイレクトURIの更新と1Password側の保存を同じ作業の中で行ってください。1Password.comだけで利用している人は変更の後に復旧が必要になるため、事前に洗い出して段取りを付けておきます。

変更は監査ログに記録されます。変更管理の申請と突き合わせられるよう、アラートの対象に入れておくと安心です。考え方はログの保管とアラートの設計で扱います。

【運用のポイント】 稼働後に変える場合は、影響する統合とトークンを先に一覧にし、差し替える担当者と順序を決めてから日時を告知します。告知には、Emergency Kitを取り直す手順と、ブラウザーを再起動する旨を必ず入れてください。

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この1Passwordガイド記事は、2026年8月現在の情報をもとにデジタルアクセルズが正規販売代理店として独自に作成したものであり、日本語環境での実際の動作は異なる場合があります。最新の製品マニュアルとしては、1Passwordドキュメンテーションサイトもご覧ください。