Digital Accels

ポリシーとセキュリティー統制 / アクセス元と端末の制御

Device Trustと組み合わせると何ができるか

1PasswordのEnterprise Password ManagerとDevice Trustを組み合わせて、端末の状態で入口を絞る方法を説明します。ポリシーとの役割の違い、Device Trust CoreとConnectで守れる範囲、拡張機能が入口になる仕組みと通知の3段階、1Password自体を守る使い方、導入前に確かめる制約、社員に説明することについて解説します。

目次

Enterprise Password Managerのポリシーが決めるのは、誰が、どこから、どう1Passwordを使うかです。使っている端末そのものが安全かどうかは判定しません。OSの更新が止まっている端末や、画面ロックが設定されていない端末からでも、正しいクレデンシャルがあれば1Passwordにも業務のSaaSにも入れます。Device Trustを加えると、端末の状態を入口の条件にできます。その入口として働くのが、社員のブラウザーに入っている1Passwordの拡張機能です。このページでは、端末の状態で入口を絞る考え方、CoreとConnectで守れる範囲、拡張機能が入口になる仕組み、1Password自体を守る使い方、導入前に確かめる制約、社員に説明することを説明します。

端末の状態で入口を絞る考え方

Device Trustは、社員の端末に入れたエージェントで、端末の状態を確かめるチェックを定期的に実行します。チェックは約100の既製のものから選べ、SQLで独自のものも書けます。結果はサインインの時点でも確かめられ、条件を満たさない端末には通知を出すか、アクセスを止めます。止めるときは、社員が自分で直せるように手順を示します。

1Passwordのポリシーと並べると、役割の違いがはっきりします。

観点担う仕組み
誰かアカウントパスワード、2要素認証、Unlock with SSO
どこからかファイアウォールのルール
どの端末からかDevice Trustのチェック

場所の制御はファイアウォールルールによる制限で扱います。

CoreとConnectで守れる範囲

Device Trustには2つのプランがあります。

プラン守れる範囲
Device Trust CoreSSOに対応していないものも含めた業務のウェブアプリを、1Passwordの拡張機能で守る
Device Trust ConnectCoreの範囲に加えて、Okta、Entra ID、Google WorkspaceのSSOのサインインの流れの中で端末を判定する

Google Workspaceでは、SAMLで接続したアプリを1つずつ守る設定も使えます。対象はSAMLのアプリだけで、OIDCで接続する1Passwordはこの方法では守れません。

2025年5月より前に購入した旧来のプランでは、拡張機能を使う機能が含まれないことがあります。既に契約がある場合は、どの版かを先に確かめてください。

拡張機能が入口になる仕組み

守る対象にしたウェブアプリを社員が開くと、1Passwordの拡張機能がDevice Trustで端末の状態を確かめます。この機能をExtended Device Complianceと呼びます。チェックに通らない端末には、ブラウザーの中に通知が出ます。通知の強さは、チェックごとに決めた是正の方式で3段階に分かれます。

通知だけ

画面の右上に問題を知らせる通知が出ます。社員はページをそのまま使え、Fix laterで後回しにできます。

猶予つきの遮断

直さなければ何日後に止まるかが通知に出ます。猶予期間のうちは、ページをそのまま使えます。

チェックに通らない端末に出る猶予期間中の通知
猶予期間中は、止まるまでの日数が表示される(画像は英語表示)

遮断

ページがぼかされ、直すまでアプリを使えなくなります。既にサインインしているアプリでも止まります。管理者が許可していれば、Snoozeで8時間だけ先送りできます。直した後はRecheckで確かめ直すと、使えるようになります。

遮断されてぼかしがかかったウェブアプリの画面
通知に並ぶ問題を選ぶと、直し方の説明が開く

1Password自体を守る使い方

Device Trustには、既定のブラウザーに1Passwordの拡張機能が入っていて有効かを確かめるチェックがあります。是正の方式を警告の後に遮断する設定にすると、期限までに拡張機能を入れなかった端末では1Password自体が使えなくなります。

拡張機能を入れるよう求める通知
拡張機能を入れないと、その端末で1Passwordが止まることを知らせる

1Passwordのポリシーにも、参加の手順で拡張機能を求める設定があります。ただし、それが効くのは参加のときだけです。参加した後に拡張機能を外していないかを確かめ続けるのが、このチェックの役割です。参加時の設定は参加から削除までのアカウントポリシーで扱います。

チェックの対象とExtended Device Complianceの適用範囲は、1Passwordのグループで指定できます。適用範囲は、誰にも適用しない、グループを選ぶ、全員の3つから選びます。パイロット用のグループを作り、そこから広げていくのが確実です。グループの設計はカスタムグループの設計で扱います。

導入前に確かめる制約

観点制約
リージョンExtended Device Complianceは、1Password.com(米国)のリージョンのアカウントでだけ使える。CAとEUのアカウントでは使えない
端末Mac、Windows、Linuxだけ。モバイルの端末は対象外
ブラウザーChromeを元にしたブラウザー、Firefox、Safari。拡張機能はChromeで8.10.80.23以降、FirefoxとSafariで8.11.4以降
拡張機能のチェック現時点ではmacOSの既定のブラウザーだけを確かめる。既定以外のブラウザーを使ったり、ほかの端末で拡張機能を止めたりすれば、すり抜けられる
チェックの適用アプリごとに分けられない。遮断を設定したチェックは、守っている全てのアプリに効く
遮断の開始遮断はUTCの午前0時から始まる。日本時間では午前9時で、始業と重なる

最も影響が大きいのはリージョンです。EUのリージョンを選んだ組織は、この機能を使えません。リージョンを決める前にDevice Trustとの組み合わせを検討している場合は、リージョンの選択とデータの保管場所とあわせて判断してください。

社員に説明すること

Device Trustは、業務のアプリの利用状況を知るために、端末のブラウザーの閲覧履歴を読みます。ただし照合するのは、あらかじめ決められた業務のアプリの一覧だけです。一覧は管理者が変えられず、それ以外の閲覧は端末の外に送られません。

一覧に当てはまったアプリについて集めるのは、アプリの名前、訪問の回数、最後に訪問した日時の3つです。見たURLや滞在時間は集めません。プライベートブラウズでの訪問は数えられない一方、同じサービスを私用でも使っていれば、その訪問も回数に入ります。

私物の端末を業務に使う組織や、就業規則で端末の監視を定めている組織では、入れる前に社員への説明と規程の確認が要ります。社員は自分の端末で何が集められているかを確かめられるので、その見方も説明に含めてください。

【運用のポイント】 Device Trustの設定の手順は、このガイドでは扱いません。製品の全体像はDevice Trustの概要で扱います。導入の検討では、まずExtended Device Complianceを使うか、IDプロバイダーの流れで判定するかを決めると、必要なプランが決まります。

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この1Passwordガイド記事は、2026年8月現在の情報をもとにデジタルアクセルズが正規販売代理店として独自に作成したものであり、日本語環境での実際の動作は異なる場合があります。最新の製品マニュアルとしては、1Passwordドキュメンテーションサイトもご覧ください。