アイテムを上書きしてしまった、前のパスワードが必要になった、退職者が最後に何を変えたのかを知りたい。この3つはどれも履歴で片が付きます。1Passwordは変更のたびに前のバージョンを保存していて、管理者が復元の可否をパーミッションで決められます。注意が要るのは、履歴を見られる人は過去のパスワードも読めるという点と、履歴では追えない範囲があるという点です。このページでは、2種類ある履歴の違い、過去のパスワードの見方、前のバージョンへの戻し方、履歴を扱える人の決め方、履歴で追えないものを説明します。削除したアイテムの復元はファイルの保存とアーカイブで扱います。
履歴は2種類ある
同じ「履歴」という語で、性質の違う2つの画面を指します。
| 履歴 | 見えるもの | 対象 |
|---|---|---|
| パスワードの履歴 | そのアイテムで使われてきたパスワードの一覧 | ログインとパスワードのアイテムだけ |
| バージョンの履歴 | 編集ごとのアイテム全体の内容と、編集した人 | 全てのカテゴリー |
パスワードだけを差し替えたいときは前者、欄ごと消してしまったときは後者を使います。ログインとパスワード以外のアイテムに入っているパスワードの欄は、前者の画面に出てきません。バージョンの履歴から探すことになります。
過去のパスワードを見る
アイテムを開き、パスワードの欄にポインターを合わせると下向きの矢印が出ます。ここからパスワードの履歴を開きます。

一覧には、使われていた日時とともに過去のパスワードが伏せ字で並びます。各行の矢印から表示またはコピーを選びます。

この操作は1Password.comでもデスクトップアプリでも同じです。手順を配るときは、画面ごとに書き分ける必要はありません。
前のバージョンに戻す
アイテムの詳細の下部に最終更新の日時が出ています。ここを選ぶと過去のバージョンの一覧に進み、戻したいバージョンを選んで復元します。

復元しても他のバージョンは履歴に残ります。戻す対象を間違えた場合も、同じ手順でやり直せます。画面の下部にはパスワードを伏せ字のまま表示するかどうかの切り替えがあり、外すとその時点のパスワードがそのまま読めます。
左の一覧には、そのバージョンを作った人の名前が並びます。誰がいつ何を変えたかを画面の中だけで確かめられるのは、この画面だけです。監査ログにもアイテムの編集は記録されますが、残るのは編集があったという事実で、変更前後の値は入りません。値を確かめるならこちらを使います。読み方は監査ログの読み方で扱います。
履歴を扱える人を決める
保管庫のパーミッションで決めます。保管庫から対象の保管庫を開き、人またはグループのタブで対象を選んでパーミッションを変更します。
前のバージョンに戻せるのは、その保管庫でアイテムを編集またはアイテム履歴を表示のどちらかを持つ人です。組み込みの従業員保管庫だけは、パーミッションを変更できません。
| 任せたいこと | 必要なパーミッション |
|---|---|
| 上書きを元に戻す | アイテムを編集またはアイテム履歴を表示 |
| 過去のパスワードを調べる | アイテム履歴を表示とパスワードを表示してコピー |
| 履歴を見せるが戻させない | 分けられない |
3行目が制約です。履歴の閲覧と復元は同じパーミッションに含まれていて、片方だけを渡すことができません。調査のために履歴を見せたい相手には、結果として復元の操作も渡ることになります。
【注意】
アイテム履歴を表示を渡すと、その保管庫の過去のパスワードを読めるようになります。現在のパスワードを変更しても、変更前の値は履歴に残ったままです。他のサービスで同じパスワードを使い回している状態が残っていると、履歴を通じてそちらへの侵入を許すことになります。閲覧だけを任せるつもりでこのパーミッションを付けると、意図より広い範囲を渡すことになります。
割り当ての考え方は保管庫の権限モデル、実際にどう効くかは権限が強制される仕組みで扱います。
履歴で追えないもの
履歴は万能ではありません。次の3つは別の手段になります。
削除したアイテム
削除したアイテムは30日間だけ元に戻せます。その期間を過ぎたものと、完全に削除したものは戻せません。アーカイブしたものは期限なく残り、いつでも戻せます。使い分けはファイルの保存とアーカイブで扱います。
別の保管庫に移したアイテム
移動と複製を繰り返したアイテムは、どこからきたものかが履歴からたどれません。複製した場合は元のアイテムが残るため、以後は別々に履歴が積まれます。片方だけが更新され、もう片方は古いままという状態が生まれます。
共有したコピー
共有リンクで外部に渡したコピーには、パスワードの履歴が付きません。渡った先で何が見られたかも履歴には残りません。リンクの追跡はアイテムの共有と共有リンクの統制で扱います。
事故が起きたときの進め方
上書きの相談を受けたら、まず本人に操作をやめてもらいます。編集を続けるとバージョンが積み上がり、目的のものを探す手間が増えるためです。
次に、その保管庫のパーミッションを確かめます。本人がアイテム履歴を表示を持っていなければ、復元は代行することになります。保管庫を任せた担当者がいる場合は、その人に頼む方が早く済みます。
退職者による改変を疑う場合は、順序が変わります。先に監査ログの読み方で対象期間と実行した人を絞り、どのアイテムが編集されたかを特定してから履歴を開きます。履歴の側から探すと、アイテムを1件ずつ開くことになり終わりません。
【運用のポイント】 復元が必要になる場面は、退職と異動の直後に集中します。アカウントを止める前に、その人が管理していた保管庫のアイテムを一覧にしておいてください。止めた後でも履歴は残りますが、どのアイテムが対象かを本人に確認できなくなります。手順は退職時の手順で扱います。