VDI(仮想デスクトップ環境)では、ログオフのたびにブラウザーやアプリのデータが消える構成がよくあります。1Passwordのデータが消えると、社員はセッションのたびにアカウントパスワードとSecret Keyでサインインし直すことになり、忘れた社員の復旧が管理者に回ってきます。VDIに配るときは、データを残す場所を決めることと、ロックの解除の方法を選ぶことが中心になります。このページでは、VDIで起きること、拡張機能のデータを残す方法、デスクトップアプリを入れる場合、アカウントパスワードで解除する組織、Unlock with SSOを使う組織、導入前の確認を説明します。
VDIで起きること
セッションを終えるとユーザーのデータが消える非永続型の構成では、ブラウザー拡張機能のデータも消えます。次のセッションでは、拡張機能は初めて使う端末と同じ状態から始まります。
アカウントパスワードでロックを解除する組織では、社員は毎回サインインし直します。Secret Keyを手元に持っていない社員は、そこで止まります。Unlock with SSOを使う組織では、拡張機能のデバイスキーが消え、毎回ほかの端末で確認コードを出して紐づけ直すことになります。どちらも、VDIに配る前の準備で避けられます。
拡張機能のデータを残す
仮想デスクトップの管理ソフトで、ブラウザーのプロファイルのフォルダーをセッションをまたいで残す(永続化する)設定にします。フォルダーの場所は、VDIの中のブラウザーで次のページを開くと分かります。
| ブラウザー | 開くページ | 見る欄 |
|---|---|---|
| Chrome | chrome://version | Profile Path |
| Edge | edge://version | Profile Path |
| Brave | brave://version | Profile Path |
| Firefox | about:profiles | Root Directory |
プロファイルのフォルダーを残せば、拡張機能は前のセッションのサインインを引き継ぎます。社員はロックの解除だけで使い始められます。拡張機能そのものの配り方はブラウザー拡張機能のデプロイで扱います。
デスクトップアプリを入れる場合
VDIにデスクトップアプリも入れる場合は、拡張機能のデータを残す必要はありません。アプリが拡張機能のアカウントを自動で有効な状態に保ちます。
ただし、アプリ自身のデータも同じようにセッションをまたいで残す必要があります。Windowsでは、アプリのデータは%LOCALAPPDATA%\1Password、設定は%APPDATA%\1Password\settings\settings.jsonにあります。
【注意】 非永続型の構成では、アプリのデータの場所も残す対象に入れてください。拡張機能のデータを残さない代わりにアプリに任せる設計でも、アプリのデータが消えればアプリ自体がサインインし直しになります。ログオフとログオンを繰り返し、サインインし直しが起きないことをパイロットで確かめます。
アプリの入れ方はWindows版アプリのデプロイで扱います。
アカウントパスワードで解除する組織
データを残していても、プロファイルの破損や仮想デスクトップの作り直しで消えることはあります。そのときは、社員はアカウントパスワードとSecret Keyでサインインし直します。
社員には、Emergency Kitを保存してもらっておきます。組織でEmergency Kitを配らない設定にしている場合は、VDIとは別の端末にも1Passwordを入れてサインインしてもらいます。そちらの端末でアカウントの情報を確かめられます。Emergency Kitの扱いはEmergency Kitの運用で扱います。
Unlock with SSOを使う組織
VDIの利用者は、Unlock with SSOではなくアカウントパスワードで解除する形にすることを勧めます。社内のほかの人がSSOを使っている場合は、VDIの利用者だけのカスタムグループを作り、SSOの対象から外します。
【注意】 対象から外すグループには、SSOへ切り替える前から利用者を入れておきます。SSOの対象になった後で外すと、その人はアカウントパスワードに自動では戻らず、復旧の手続きに入ります。対象の選び方は導入前の確認とロールアウト設計で扱います。
全社でSSOを使う必要がある場合は、VDIの利用者にモバイルの端末にも1Passwordを入れてもらい、2台目の紐づけた端末にします。拡張機能のデバイスキーが消えても、モバイルのアプリで拡張機能を確かめて紐づけ直せます。モバイルのアプリからは、アカウントのメニューにあるQRコードの読み取りでサインインすることもできます。紐づけの仕組みは端末の紐づけと新しい端末での利用で扱います。
導入前の確認
1Passwordのアプリの対応環境として示されているWindowsは、Windows 10以降です。Windows ServerのようなサーバーOSをセッションホストにする構成で使う場合は、正規販売代理店(デジタルアクセルズ)を通じて対応状況を確かめてください。要件の一覧は対応環境とシステム要件で扱います。
パイロットでは、次の3点を確かめます。
- ログオフしてログオンし直した後、ロックの解除だけで使えること
- 仮想デスクトップを作り直したときに、社員が自分でサインインし直せること
- SSOを使う組織では、対象外のグループの利用者がアカウントパスワードで解除していること
【運用のポイント】 VDIの利用者は、サインインし直しの問い合わせが集中しやすい層です。社内の窓口に、Emergency Kitの場所と、2台目の端末での確認コードの出し方を伝えておきます。問い合わせへの備えは社内問い合わせへの備えで扱います。