Digital Accels

Enterprise Password Managerの導入設計 / 保管庫の設計

避けるべき設計

1Passwordの保管庫の設計で失敗を避ける方法を説明します。全員向けの保管庫への集約、読み取りを与えた後のパーミッションによる制限、個人への直接の付与、誰でも保管庫を作れる状態、従業員保管庫への業務クレデンシャルの保管、コピーによる配布、後からの切り直しの7つの型と、それぞれの代わりにとる形、移動元に残る削除済みのアイテムの扱いについて解説します。

目次

保管庫の設計の失敗は、使い始めてすぐには表に出ません。退職者が出たとき、監査で説明を求められたとき、情報が漏れたときに、変えるべきパスワードの範囲が絞れない、外したはずの人がまだ見えている、という形で現れます。その時点で中身は既に相手の端末に渡っていて、設計を直しても取り戻せません。このページでは、導入の初期に作られやすい7つの型と、それぞれの代わりにとる形を説明します。目次をそのまま点検の一覧として使えます。望ましい切り方は保管庫の分割パターンで扱います。

全員向けの保管庫に集める

最初に全てを1つの保管庫に入れると、配る手間がかかりません。その代わり、誰か1人が退職するたびに、保管庫の中身全てが変更の対象になります。読み取りを与えた相手からは、暗号のレベルでは読み取り権を取り上げられないためです。情報が漏れたときの範囲も全社になります。

アカウントに最初からある全員向けの保管庫には、全員に見えて困らないものだけを入れます。それ以外は用途を絞った保管庫に分け、必要な人とグループにだけ渡してください。

読み取りを与えてからパーミッションで絞る

パスワードを表示してコピーやアイテムのエクスポートを外せば見せずに済む、という設計です。これらはアプリが画面上で制限しているだけで、中身は相手の端末に届いています。監査で閲覧を制限していると説明すると、根拠が崩れます。

見せてはいけない人がいるものは、別の保管庫に出してください。所有者から隠す前提の設計も、同じ種類の誤りです。所有者は全ての共有保管庫を管理できます。仕組みは権限が強制される仕組みで扱います。

個人への直接の付与を常態にする

保管庫ごとに人を1人ずつ足していく運用です。同じ人に個人とグループの両方から与えると、強い方が効きます。グループから外しても個人の付与が残り、外したはずの人がまだ見えている状態になります。誰に何を渡したかが画面を1つずつ開かないと分からず、棚卸しが終わりません。

アクセスはグループを通じて与えます。個人への直接の付与は一時的な作業に限り、外す日を決めてから与えてください。

誰でも保管庫を作れるまま始める

既定ではチームメンバーが保管庫の作成を持っています。そのまま始めると、名前の付け方がばらばらな保管庫が増えます。作った人には保管庫の管理が付き、作成画面で管理者を外せば、情報システム部門の手が届かない保管庫もできます。そうして作られた保管庫は、作った人が退職すると所有者しか管理できなくなります。

利用者が保管庫を作り始める前に、チームメンバーから保管庫の作成を外し、部門の責任者のグループに付けてください。

【運用のポイント】 既に保管庫が増えてしまった場合は、全ての保管庫について責任者を1人ずつ決めるところから始めます。責任者が見つからない保管庫は廃止の候補です。進め方は保管庫とアクセス権の棚卸しで扱います。

業務のクレデンシャルを従業員保管庫に置く

本人しか使っていないから、という理由で置かれがちです。従業員保管庫は本人以外に渡せず、サービスアカウントからも読めません。退職でアカウントを削除すると、中のアイテムは戻りません。急な退職で取り出すには、復旧の操作と本人のメールの受信箱の両方が要ります。

後任が使い続けるもの、他の人も使うもの、会社名義のものは、最初から共有保管庫に入れてください。置き場所の基準は従業員保管庫の位置付けで扱います。

コピーで配る

同じアイテムを、必要な部門の保管庫にそれぞれ複製する配り方です。複製の片方を編集しても、もう片方は変わりません。パスワードを変えた後に古いコピーが残り、どれが正しいか分からなくなります。Watchtowerが重複として拾うのは同じ保管庫の中だけなので、保管庫をまたいだコピーは検出されません。誰がそのクレデンシャルに届くかも、全てのコピーを足し合わせないと分かりません。

アイテムは1つの保管庫に置き、そこへのアクセスを渡します。部門をまたいで使うものは、共通の保管庫を1つ作ってください。

後から切り直せばいいと考える

保管庫の間でアイテムを移すと、移動先へのコピーと移動元からの削除が行われます。移動元には削除済みのアイテムとして30日間残り、その間は見ることも元に戻すこともできます。広い保管庫から機密のアイテムを移しただけでは、広い保管庫の側から消えたことになりません。自動化についても、サービスアカウントが読める保管庫は後から足せないため、値の置き場所を変えると作り直しになります。

【注意】 切り直すときは、移動、移動元での完全な削除、パスワードの変更の3つを1組で行ってください。削除済みのアイテムは、アプリのサイドバーのアーカイブの下にある場所から完全に削除できます。移動元の保管庫にアクセスできた人は、中身を既に見ている可能性があります。そのため、完全に削除した後もパスワードの変更は省けません。

1Password導入のご相談、デモ・お見積りのご依頼は、
お気軽にデジタルアクセルズまでお問い合わせください。

この1Passwordガイド記事は、2026年8月現在の情報をもとにデジタルアクセルズが正規販売代理店として独自に作成したものであり、日本語環境での実際の動作は異なる場合があります。最新の製品マニュアルとしては、1Passwordドキュメンテーションサイトもご覧ください。