Digital Accels

認証とアカウント復旧 / 認証方式の基本

Emergency Kitの運用

1PasswordのEmergency Kitを組織で運用する方法を説明します。Emergency Kitに記載される情報とセットアップ用のQRコード、保存と取り出しの操作、社員に配るかどうかの判断材料、会社の共有フォルダーに置かせないなど社内での保管のルール、パスワード欄の扱い、保存し直す場面、Businessでは復元コードを使えないことについて解説します。

目次

Emergency Kitは、1Passwordにサインインするための情報をまとめたPDFです。端末を全て失ったとき、新しい端末でサインインし直す手掛かりになります。一方で、アカウントパスワードまで書き込んだEmergency Kitは、それ1枚で他人がアカウントに入れる紙にもなります。組織としては、社員に配るかどうかと、配る場合にどこへ保管させるかを決めておく必要があります。このページでは、Emergency Kitに入っているもの、保存と取り出し、社員に配るかどうかの判断、社内での保管のルール、保存し直す場面、復元コードとの関係を説明します。所有者のEmergency Kitの保管は管理者を失わないための備えで扱います。

Emergency Kitに入っているもの

記載内容
サインインアドレス組織のアカウントのアドレス
メールアドレス本人のアカウントのアドレス
Secret Key新しい端末で初めてサインインするときに入力する鍵
アカウントパスワードの欄本人が手で書き込む空欄
セットアップ コードスマートフォンのアプリで読み取ってサインインするQRコード
Emergency Kitの見本
サインインアドレス、メールアドレス、Secret Key、パスワードの欄と、セットアップ用のQRコードが並ぶ(画像は英語表示)

アカウントパスワードは印字されません。欄が空いたままなら、Emergency Kitを拾った人もそれだけではサインインできません。

保存と取り出し

Emergency Kitは、アカウントを作るときや参加するときに保存を求められます。多くの場合、ダウンロードのフォルダーに入っています。後から保存し直すには、1Password.comのアカウントを管理でEmergency Kit を保存を選びます。

スマートフォンにアプリを入れるだけなら、Emergency Kitを探す必要はありません。サインイン済みのパソコンでアカウントを管理を開き、コードを表示するで出したQRコードを、スマートフォンのアプリで読み取ります。

社員に配るかどうか

組織として、社員がEmergency Kitを保存できないようにする設定があります。配らない場合でも、社員はアカウントパスワードとSecret Keyでサインインします。

観点配る配らない
端末を全て失ったとき本人がEmergency Kitで戻れる管理者の復旧が要る
紙やファイルの漏洩保管のずさんな人から漏れるおそれがある漏れる元がない
復旧の手順通常の手順で進む始めたときと同じブラウザーのセッションで完了させる必要がある
Safariだけで使う人Emergency Kitで補える7日に一度はサインインしないとSecret Keyを見つけられなくなり、復旧が要る

所有者、管理者、セキュリティ、アカウントの復旧を持つグループのメンバーは、配らない設定にしても保存できます。Unlock with SSOでロックを解除する人は、設定にかかわらずEmergency Kitを持ちません。

判断の目安は、復旧を担う人の余力です。復旧の担当が2〜3人しかいない組織では、配った方が問い合わせを減らせます。紙の管理に不安があり、復旧の体制も整っている組織では、配らない選択が成り立ちます。設定の手順は参加から削除までのアカウントポリシーで扱います。

社内での保管のルール

配る場合は、保管の方法を社員任せにしません。次の3点を決めて周知します。

保管する場所

印刷して、社員が自宅や個人の重要な書類と一緒に保管する形が基本です。会社の共有フォルダーやメールに置かせてはいけません。そこに届く人が、誰のEmergency Kitでも見られることになります。1Passwordの中だけに保存するのも避けます。1Passwordを開けないときに取り出せません。

パスワードの欄

一般の社員には、パスワードの欄を書かずに保管させます。パスワードを忘れても、管理者の復旧で戻れるためです。欄に書き込むのは、所有者のように、復旧してくれる人が限られる立場に絞ります。

渡してはいけない相手

家族や同僚に預けさせません。上司や情報システム部門が預かることもしません。会社は復旧という別の手段を持っており、社員のEmergency Kitを集める必要はありません。集めると、それを保管する人が全員のアカウントに届く立場になります。

保存し直す場面

Emergency Kitは、保存した時点の情報しか持っていません。次の変更があったら、新しいものを保存し、古いものは破棄するよう案内します。

  • Secret Keyを再生成した、または復旧を受けた
  • メールアドレスを変えた
  • 組織のサインインアドレスが変わった

サインインアドレスが変わると、全員のEmergency Kitが一度に古くなります。変更の手順はアカウントの作成とサインインアドレスの決定で扱います。古いEmergency Kitでは、Secret Keyが「Account Key」という以前の名前で書かれていることがあります。

復元コードとの関係

個人向けとFamiliesのアカウントには、アクセスを失ったときに自分で戻るための復元コードという仕組みがあります。1Password Businessでは、復元コードを作ることも使うこともできません。個人のアカウントで作った復元コードは、Businessへ移ると無効になります。Businessでは、端末を全て失った社員が自分で戻れる手段はEmergency Kitだけです。それもない場合は、管理者の復旧が唯一の道になります。

【運用のポイント】 個人のアカウントを使っていた社員は、復元コードがあるから大丈夫と考えていることがあります。組織のアカウントに移った時点で使えなくなることを、参加の案内で伝えてください。案内の組み立ては入社時の手順で扱います。

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この1Passwordガイド記事は、2026年8月現在の情報をもとにデジタルアクセルズが正規販売代理店として独自に作成したものであり、日本語環境での実際の動作は異なる場合があります。最新の製品マニュアルとしては、1Passwordドキュメンテーションサイトもご覧ください。