管理対象企業の数が増えると、顧客ごとの取り決め、ポリシーのそろえ方、技術者の出入りの管理が運用の中心になります。請求はMSPアカウントにまとまるため、顧客に説明する利用人数の根拠もMSPが持つことになります。支援を終えて顧客に引き渡すときは、切り離した時点で顧客のアカウントが試用期間に入るため、段取りを誤ると顧客の業務が止まります。このページでは、請求の仕組みの読み方、顧客ごとに決めておくこと、ポリシーテンプレートの使い方、技術者の管理、顧客への引き渡しを説明します。MSPアカウントに固有の画面のラベルは、英語表示での名称で示します。追加と初期設定の手順は管理対象企業の追加と技術者のアクセス権で扱います。
請求の仕組みを顧客への説明に使う
MSPアカウントのサイドバーのBilling and Seatsで、利用人数と請求を確かめます。数えるのは、有効、確認待ち、復旧中のいずれかの状態の人で、ゲストも含みます。一時停止した人はこの中に入りません。利用人数は日ごとに集計され、請求期間の平均で請求されます。

Paymentsのタブで管理する(画像は英語表示)Paymentsのタブには、今の利用が期間の終わりまで続いた場合の請求の見込みも表示されます。期間の途中で人数が増減すると、見込みも自動で更新されます。
Usageのタブでは、利用人数を企業と日付で絞り込めます。記録はMSPアカウントを作ってからの全期間分が残ります。Invoicesのタブの請求書は、企業ごとの小計を並べた1枚にまとまります。

確認待ちの人も数えられるため、招待したまま参加していない人が多いと、使っていない分の請求が発生します。月に一度は各社の招待を整理してください。Invoice Settingsでは、請求書の送り先を変えられます。1Passwordのアカウントを持たない経理の担当者も送り先にできます。
顧客ごとに決めておくこと
招待を始める前に、次の点を顧客と決めて記録します。
| 決めること | 決め方 |
|---|---|
| 技術者が共有保管庫を管理できるか | 新しく作った企業はオン、紐づけた企業はオフで始まる。顧客の情報の機密度で決める |
顧客側の所有者 | MSPが作った企業では、顧客側の人を加える必要がある。1人以上入れることが引き渡しの前提になる |
| 利用者の復旧の担当 | 既定では所有者と管理者が行う。顧客の管理者に任せるか、MSPが受けるかを決める |
| 保管庫を作れる人 | 既定では全員が作れる。保管庫の設計に合わせて絞る |
| アカウントパスワードのポリシー | 後から変えても遡らないため、招待より前に決める |
| 2要素認証 | 有効にするか、全員に求めるか、使える方式を決める |
| 社外へのアイテムの共有 | 共有できる相手とリンクの期限を決める |
| 招待できる人数の上限 | 企業を追加するときに任意で設定できる。契約の人数に合わせる |
ポリシーテンプレートで基準をそろえる
MSPアカウントのサイドバーのポリシーで、ポリシーテンプレートを作れます。Create templateで名前を付け、Add policiesで含めるポリシーを選びます。テンプレートに入れたポリシーは、適用した企業の既定値になります。ポリシーごとにAllow overridesを選ぶと、企業の管理者が変えられる推奨の扱いになります。1つの企業に適用できるテンプレートは1つです。テンプレートを変えたときは、反映する企業を選んでSave and applyで適用します。
全ての顧客で強制するもの
MSPとして守らせたい最低限の基準です。アカウントパスワードの条件や2要素認証のように、緩めると顧客全体のリスクが上がるものを入れ、上書きは許しません。
顧客が選べるようにするもの
業種や規模で答えが変わるものです。ロックまでの時間や共有の範囲のように、顧客の業務に影響するものは、推奨の値を入れたうえで上書きを許します。
テンプレートに入れないもの
顧客ごとに値が全く違うものです。テンプレートに入れず、各社の画面で個別に設定します。何を入れなかったかを記録しておくと、後から入った技術者が迷いません。
技術者の出入りを管理する
技術者が管理対象企業の中で行った操作は、どの技術者が行ったかと一緒に記録されます。顧客から問い合わせがあったときに照合できるよう、作業の記録を顧客ごとに残してください。
技術者が退職したときは、MSPアカウントでその人を一時停止します。技術者は、MSPアカウントのグループを通じて全ての担当企業に入れるためです。SSOの設定などで管理対象企業にチームメンバーとして招待していた場合は、その企業の中のアカウントも外します。
顧客へ引き渡すとき
支援を終えて顧客に引き渡すときは、次の順で進めます。
- 顧客側の人が管理対象企業の
所有者に1人以上入っていることを確かめます。入っていなければ、先に加えます。 - 技術者が企業の中にチームメンバーとして招待したアカウントを外します。
- 復旧の体制、IDプロバイダーとの接続、保管庫の設計を記録にまとめ、顧客に渡します。
- 顧客に、切り離した後14日以内に契約する必要があることを伝えます。
- MSPアカウントの
Managed Companiesで企業を探し、メニューからUnlinkを選びます。
切り離した企業は、14日間の試用期間の間はそのまま使えます。期間中に顧客の所有者が契約するか、別のMSPに紐づけないと、使えなくなります。別のMSPへ移る場合も、いったん切り離した後に、顧客の所有者が移り先のMSPへの紐づけを進めます。
【注意】 切り離すと、MSPの技術者はその企業に入れなくなります。顧客側に
所有者がいない状態で切り離すと、誰も管理できないアカウントが残ります。