海外へ出張するとき、端末の中身を見せるよう求められる場面があります。トラベルモードは、この状況に備えて、持ち出すと決めた保管庫以外を端末から取り除く機能です。全てのプランに含まれており、1Password Businessでは管理者が従業員に代わって切り替えられます。このページでは、オンにすると何が起きるか、持ち出す保管庫の決め方、切り替えの手順、出張の運用への組み込み方、そしてこの機能を統制の手段として使えるかどうかを説明します。
オンにすると何が起きるか
持ち出し可にしていない保管庫が、端末のアプリとブラウザー拡張機能から取り除かれます。中身が隠されるのではなく、保管庫ごと見えなくなります。
取り除かれた保管庫は、1Password.comでも利用できなくなります。出張先で必要になったものを後からブラウザーで取り出す、という使い方はできません。持ち出す中身は出発前に決め切る必要があります。
オンとオフのどちらに切り替えた場合も、反映されるのは端末をインターネットにつないだ状態で1Passwordを開いたときです。切り替えの操作をしただけでは端末は変わりません。
持ち出す保管庫を決める
本人が自分で設定する場合は、サイドバーの保管庫から対象の保管庫を開き、持ち出し可の設定をオンにします。サイドバーに保管庫が出ていない場合は、ホーム画面の保管庫にある歯車から同じ画面に入れます。歯車が出てこないときは、その保管庫を管理するパーミッションがありません。

管理者が共有保管庫に設定する場合は、保管庫から対象の保管庫を開き、アプリからのアクセスを管理する画面に進みます。そこで持ち出し可を選び、内容を更新します。

持ち出す保管庫がまだない場合は、出張用の共有保管庫を1つ作り、その出張で使うアイテムを集めてください。既存の業務用保管庫をそのまま持ち出し可にすると、取り除かれる範囲が小さくなり、機能の意味が薄れます。保管庫の切り方は保管庫の分割パターンで扱います。
オンとオフを切り替える
管理者と本人のどちらからでも操作できます。管理者がオンにしたものを本人がオフに戻すこともできます。
管理者が対象者をオンにする
ダッシュボードの旅行者のセクションにあるプラスのボタンを押すと、対象者を選ぶ画面が出ます。チェックボックスで選んでから、トラベルモードをオンにする操作を確定します。複数人をまとめて指定できます。
管理者がオフに戻す
旅行者のセクションには、現在オンになっている人が並びます。該当者の横にある解除の操作でオフに戻ります。オンのままの人がここに残り続けるため、戻し忘れはこの一覧で見つかります。
本人が自分で切り替える
右上の自分の名前からアカウントの管理に進み、トラベルモードをオンにします。戻すときも同じ場所です。管理者が代行した場合でも、本人がここからオフにできます。
出張の運用に組み込む
切り替えのタイミングを決めておいてください。前日までに社内で操作し、持ち出す端末を1台ずつ開いて、保管庫が減っていることを目で確認する形が確実です。空港で操作すると、通信環境と時間の両方が足りません。ノートパソコンとスマートフォンの両方を持っていく場合は、どちらか一方を開き忘れがちなので、台数を数えて確認します。
持ち出す中身は、渡航先で使うサービスから逆算します。滞在中に使う出張管理のシステム、経費の申請、社内のチャット、宿泊と交通の予約サイト、それに現地の担当者と共有しているアカウントが候補です。社内システムの管理者アカウントや、本番環境につながるクレデンシャルは、出張用の保管庫に入れない前提で組み立ててください。
戻すときの担当も決めておきます。本人に任せると、帰国後に業務が回らなくなって初めて気付くことになります。管理者が代行してオンにした場合は、戻すのも管理者の作業として扱ってください。
【注意】 出張中に必要なアイテムを入れ忘れると、その出張の間は取り出せません。1Password.comからも見えないため、社内の別の担当者に代わりに調べてもらうこともできません。オンにする前に、その出張で使うサービスを本人と一緒に洗い出してください。国内の出張や短期間の移動で無理に使う機能ではありません。
統制の手段として使えるか
使えません。この機能は、本人が見せる範囲を自分で選ぶためのものです。
理由は2つあります。1つは、管理者がオンにしても本人がオフに戻せることです。もう1つは、反映に端末側の操作が要ることです。端末をオフラインのまま持ち出されると、切り替えは届きません。
端末の紛失や退職への対応は、トラベルモードではなくアカウントの一時停止で行います。手順は退職時の手順で扱います。
【運用のポイント】 トラベルモードを出張規程に書き込む場合は、実施の責任を本人に置いたうえで、管理者は
旅行者の一覧で状態を確認する、という形にしてください。会社が強制できる仕組みではないため、管理者が代行してオンにするだけでは実効性を担保できません。出張前のチェックリストに本人の確認欄を設けるのが現実的です。