機器やサービスの構成情報を、定型の形式で記録します。同じ項目を揃えて記録できるため、情報の抜けを防げます。
Apps & Servicesの用途
自由記述の文書と違い、あらかじめ決めた項目に沿って情報を入力します。
記録の対象になるのは次のようなものです。
| 対象 | 記録する内容 |
|---|---|
| ネットワーク機器 | 型番、設置場所、管理IPアドレス、接続先 |
| 業務システム | 提供元、契約内容、管理画面のURL、担当者 |
| SaaS | 契約プラン、ライセンス数、更新日、管理者 |
| 回線 | 契約事業者、回線種別、契約番号、問い合わせ先 |
| 複合機 | 型番、設置場所、保守契約、消耗品の型番 |
いずれも「担当者は知っているが記録がない」情報の典型です。
テンプレートの作成
記録する項目をテンプレートとして定義します。同じ種類のものを登録するとき、毎回同じ項目が並びます。
テンプレートを作る際は、次を意識してください。
- 障害時に必要な情報を含める
- 契約更新時に必要な情報を含める
- 引き継ぎ時に必要な情報を含める
- 項目を増やしすぎない
4番目が重要です。項目が多いと入力されなくなります。「これがないと困る」情報だけに絞ってください。
【運用のポイント】 テンプレートを設計する際は、実際に困った経験から逆算してください。「あのとき何が分からなくて時間を無駄にしたか」を思い出すと、必要な項目が見えてきます。
情報の登録
テンプレートに沿って情報を入力します。既存の情報がある場合、取り込む機能も用意されています。
登録する順序としては、次を推奨します。
| 優先度 | 対象 |
|---|---|
| 1 | 止まると業務が止まる機器とシステム |
| 2 | 契約更新が近いもの |
| 3 | 担当者が1人しか知らないもの |
| 4 | その他 |
全てを一度に登録する必要はありません。3番目までを終えれば、属人化のリスクは大きく下がります。
デバイスとOrganizationとの関連付け
登録した情報は、デバイスやOrganizationに紐づけられます。
紐づけておくと、デバイス詳細画面から関連する情報を参照できます。障害対応の最中に別の画面を探す必要がなくなります。
MSPでは、Organizationごとに構成情報を整理できます。顧客からの問い合わせに対して、その顧客の情報だけをすぐに開けます。
認証情報の管理
管理画面のログイン情報なども記録できます。ただし、扱いには注意が必要です。
| 情報 | 保管先の考え方 |
|---|---|
| 管理画面のURL、アカウント名 | Apps & Servicesで問題ない |
| パスワード | 参照権限を厳密に制御する |
| スクリプトから使う資格情報 | Credential Exchangeを使う |
3番目は用途が異なります。スクリプトから使うものはCredential Exchangeで管理してください。
【注意】 認証情報を含む項目は、参照できる人を限定してください。誰でも見られる状態で記録すると、記録すること自体がリスクになります。参照の記録が残るかどうかもあわせて確認してください。
情報の鮮度を保つ
記録は古くなります。実態と合わない情報は、ないより有害な場合があります。
見直しの仕組みとして、次を推奨します。
| 契機 | 見直す内容 |
|---|---|
| 機器を交換したとき | 該当する記録を更新する |
| 契約を更新したとき | 契約情報を更新する |
| 担当者が変わったとき | 担当者欄を更新する |
| 半年ごとの棚卸し | 全体を確認する |
作業の完了条件に「記録の更新」を含めてください。作業が終わってから思い出して更新する運用は、必ず漏れます。
未完成のまま放置されている記録を検出する機能もあります。定期的に確認して、埋められていない項目を補完してください。