デバイスの健全性をどう判定するかを調整します。初期設定のままだと、自社の運用と合わない項目で警告が出続けることがあります。運用を1カ月ほど回した時点で見直してください。
ヘルスステータスの種類
デバイスの状態は、大きく次のように区分されます。
| 状態 | 意味 | 対応 |
|---|---|---|
| Healthy | 問題が検出されていない | 不要 |
| 警告 | 対応が必要だが緊急ではない | 計画的に対応 |
| エラー | 対応が必要な事象がある | 早期に対応 |
| Offline | 通信できていない | 原因を切り分ける |
ダッシュボードやデバイス一覧では、この区分で色分けされます。
判定基準の一覧
どの事象をどう扱うかは、AdministrationのDevicesにあるHealth Statusで管理されています。

Administration→Devices→Health Status。判定基準が一覧で管理され、個別に編集できる初期状態で27件の判定基準が定義されています。それぞれにUnhealthyなどの状態が割り当てられており、Backup Failed、Failed Patches、Blocked Threatsといった事象が並びます。
各行の...からEditを選ぶと、その事象をどの状態として扱うかを変更できます。変更を元に戻したい場合はRestore defaultsで初期値に戻せます。
【運用のポイント】 27件を最初から全て調整する必要はありません。1カ月運用して、実態に合わない判定が出ている項目だけを変更してください。
判定に使われる要素
デバイス詳細画面のHealth issuesには、検知されている問題が並びます。判定に使われるのは次のような要素です。
| 要素 | 判定される内容 |
|---|---|
| リソース | CPU、メモリー、ディスクの使用状況 |
| 再起動の保留 | 更新の適用に再起動が必要な状態が続いている |
| 脆弱性 | 検出された脆弱性の件数と深刻度 |
| アンチウイルス | 保護が有効か、定義ファイルが最新か |
| バックアップ | 直近のバックアップが成功しているか |
| Conditionの検知 | 設定した監視条件が成立している |
このうち再起動の保留は見落とされやすい項目です。パッチが適用済みに見えても、再起動していなければ有効になっていない場合があります。
【運用のポイント】
Uptimeが長いデバイスと再起動の保留を合わせて確認してください。数十日再起動されていないクライアント端末は、更新が反映されていない可能性が高くなります。
しきい値のカスタマイズ
初期設定のしきい値が自社の運用に合わないことはよくあります。
典型的なのが次のケースです。
| 状況 | 初期設定での問題 | 調整の方向 |
|---|---|---|
| バッチ処理サーバー | 深夜にCPU使用率が高く警告が出続ける | サーバー用に別のしきい値を設定する |
| 動画編集端末 | メモリー使用率が常に高い | 用途に応じてしきい値を上げる |
| 小容量SSDの端末 | ディスク空き容量の警告が常時出る | 割合ではなく絶対値で判定する |
| 検証用端末 | 更新していないため脆弱性が多数 | 判定対象から外す |
しきい値はPolicyの中で設定します。Device Roleごとに別のPolicyを当てることで、用途に応じた判定ができます。設計の考え方はPolicyとは:設計の考え方を参照してください。
判定対象から除外する
一部の項目を判定に使わない設定もできます。
除外を検討するのは次のような場合です。
- その項目を別の仕組みで監視している
- 業務上、その状態が正常である
- 対応する手段がない
ただし除外は慎重に判断してください。除外した項目は、問題が起きても状態に反映されません。「対応できないから除外する」という判断は、問題を見えなくするだけです。
【注意】 除外の設定は記録に残してください。何を、いつ、なぜ除外したかが分からなくなると、後任者が「なぜこの項目は監視されていないのか」を判断できません。
運用に合わせた調整の考え方
調整は次の順で進めると効率的です。
- 1カ月運用し、常に警告が出ている項目を洗い出す
- その警告が「対応すべきもの」か「実態に合わないもの」かを分類する
- 実態に合わないものは、しきい値の調整か対象の分離で対応する
- 対応すべきものは、対応を計画する
- 四半期ごとに見直す
重要なのは2番目の分類です。警告が出続けている状態を放置すると、その警告全体が無視されるようになります。「ディスク容量の警告はいつも出ているから見なくていい」という状態になると、本当に逼迫したときにも気付けません。
調整の詳しい考え方はアラート設計のベストプラクティスで扱います。ヘルスステータスの調整とアラートの設計は同じ問題の裏表なので、あわせて読んでください。