デバイスに存在する脆弱性を検出し、対処状況を追跡する機能です。Software Inventoryで収集した情報と、公表されている脆弱性情報を突き合わせて判定します。
脆弱性管理の流れ
処理は4つの段階に分かれます。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 収集 | 各デバイスのソフトウェアとバージョンを把握する |
| 照合 | 公表されている脆弱性情報と突き合わせる |
| 評価 | 深刻度と自社への影響を判断する |
| 対処 | パッチ適用または緩和策を実施する |
1番目はSoftware Inventoryが担います。したがって、Software Inventoryが正しく収集されていないデバイスは、脆弱性管理の対象外になります。
導入前の前提確認
有効にする前に、次を確認してください。
- 全デバイスにAgentが導入されているか
- Software Inventoryが収集されているか
- パッチ適用の運用が確立しているか
3番目が重要です。脆弱性を検出しても、解消する手段がなければ一覧が増えるだけになります。Patch Managementの運用を先に確立してください。
【注意】 有効にした直後は、大量の脆弱性が検出されます。数千件という規模になることも珍しくありません。これは異常ではなく、これまで可視化されていなかったものが見えるようになっただけです。件数に驚いて対応を諦めないでください。
有効化と初期設定
Policyまたはテナントの設定で有効にします。設定する主な項目は次の通りです。
| 項目 | 考え方 |
|---|---|
| 対象とするデバイス | まず全デバイスを対象にし、必要に応じて除外する |
| スキャンの頻度 | 日次または週次 |
| 検知の閾値 | どの深刻度以上を検知対象にするか |
スキャンの頻度は日次で問題ありません。デバイスへの負荷は限定的です。
CVEデータとの照合
脆弱性はCVEという共通の識別子で管理されています。検出された脆弱性には、このCVE番号が付与されます。
CVE番号が分かると、次のことができます。
- 公表されている詳細情報を調べる
- 他の情報源での評価を確認する
- 対応策の情報を得る
- 社内での報告に使う共通の識別子として使う
深刻度はCVSSというスコアで表されます。数値が高いほど深刻ですが、この数値だけで優先順位を決めないでください。理由は脆弱性の評価と対処で説明します。
ダッシュボードの見方
ダッシュボードのVulnerabilitiesタブで全体の状況を確認できます。
見るべき数字は次の3つです。
| 数字 | 意味 |
|---|---|
| 深刻度別の件数 | 対応の優先度を判断する材料 |
| 影響を受けるデバイス数 | 対処の作業量 |
| 件数の推移 | 運用が機能しているかの指標 |
3番目が最も重要です。件数の絶対値ではなく、増えているか減っているかを見てください。
パッチ適用の運用が機能していれば、新しい脆弱性が公表されても一定期間で解消されます。件数が単調に増え続けているなら、対処が追いついていません。
個別デバイスでの確認
デバイス詳細画面のVulnerabilitiesタブで、そのデバイスの脆弱性を確認できます。
問い合わせ対応や、特定デバイスの調査で使います。Health issuesにも件数が表示されるため、デバイスの状態を見た時点で気付けます。
除外の設定
検出されたが対応しない脆弱性を、除外として記録できます。
除外が妥当なケースは次の通りです。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| その機能を使っていない | 影響がないため除外可 |
| 別の方法で緩和済み | 対処済みとして記録 |
| 業務上パッチを適用できない | リスクを受容する判断を記録 |
【運用のポイント】 除外する際は、必ず理由と判断者、判断日を記録してください。監査で「なぜこの脆弱性を放置しているのか」と問われたとき、記録がなければ説明できません。「対応が面倒だから除外した」と区別がつかない状態にしないでください。