登録したネットワーク機器から情報を取得し、異常を検知します。取得する項目の選び方が運用の質を決めます。
標準で取得される項目
登録すると、基本的な情報が自動で取得されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 稼働状態 | 応答するかどうか |
| 機器の基本情報 | 機種、稼働時間 |
| インターフェイスの状態 | ポートの稼働状態(up/down) |
| トラフィック量 | 送受信のデータ量 |
まずはこの範囲で運用を始めてください。「応答するか」が分かるだけで、拠点の障害には気付けます。
カスタムSNMPの設定
標準の項目では足りない場合、監視する項目を追加します。SNMPでは監視項目をOIDという識別子で指定します。
OIDを手で調べる必要はありません。機器のベンダーと機種で絞り込めるカタログが用意されています。

一覧には次の情報が並びます。
| 列 | 内容 |
|---|---|
Vendor/Model | 機器のベンダーと機種 |
Monitor name | 監視項目の名称 |
Device type | 機器の種別 |
OID | 識別子 |
Value type | 値の型。文字列か数値か |
Trend data | 推移を記録するか |
Value typeが数値の項目では、Trend dataを有効にできます。有効にすると値の推移がグラフで確認できます。温度やCPU使用率のように、変化を追いたい項目で使ってください。
文字列型の項目は推移の記録ができません。バージョン情報やシリアル番号などが該当します。
監視項目の選び方
追加する項目は絞ってください。取得できる項目は数百に及ぶことがあります。
選ぶ基準は「異常を検知したい対象があるか」です。
| 機器 | 追加を検討する項目 |
|---|---|
| スイッチ | 機器の温度、電源の状態、CPU使用率 |
| UPS | バッテリー残量、入力電源の状態、負荷率 |
| NAS | ディスクの状態、温度、ボリュームの使用率 |
| サーバー管理ポート | ハードウェアの状態、ファンの回転、温度 |
UPSのバッテリー残量と入力電源の状態は、優先度が高い項目です。停電が発生したことを、UPSの状態変化で検知できます。
監視条件とアラート
取得した値に対して、Conditionを設定します。しきい値を超えたときに通知を受け取れます。
設定の考え方は、デバイスの監視と同じです。詳細はConditionの基本と種類とアラート設計のベストプラクティスを参照してください。
ネットワーク機器で特に注意すべき点があります。
【注意】 機器が応答しないとき、原因は機器の障害だけではありません。探索を実行しているデバイスが停止している、経路のスイッチが落ちている、といった可能性があります。「機器が故障した」と即断せず、同じ経路上の他の機器も応答していないかを確認してください。
通知すべき事象の切り分け
| 事象 | 通知 | 理由 |
|---|---|---|
| 中核スイッチが応答しない | 緊急 | 拠点全体が影響を受ける |
| UPSが電源喪失を検知 | 緊急 | 停電。時間内に対応が必要 |
| UPSのバッテリー残量低下 | 緊急 | 停止までの猶予が少ない |
| 機器の温度上昇 | 要対応 | 放置すると故障する |
| 特定ポートのdown | 記録のみ | 端末の抜き差しで日常的に発生 |
最後の項目を通知にすると、大量の通知が発生します。利用者がPCの電源を切るたびにポートがdownするためです。サーバーが接続されているポートなど、対象を限定してください。
機器のダッシュボード
登録した機器を開くと、取得した情報が表示されます。
| 確認できる内容 | 用途 |
|---|---|
| 稼働状態 | 現在の状況 |
| インターフェイスの一覧 | ポートごとの状態 |
| トラフィックの推移 | 帯域の使用状況 |
| カスタム項目の値 | 追加した監視項目 |
トラフィックの推移は、回線の増速を検討する材料になります。恒常的に上限に近い状態なら、業務への影響が出る前に対応できます。
トラブル時の確認手順
ネットワーク障害の切り分けでは、次の順で確認します。
- 影響を受けている機器の範囲を特定する
- 同じ拠点の他の機器も応答していないかを確認する
- 上流の機器から順に状態を確認する
- 直近の変更を確認する
2番目で複数の機器が同時に応答しない場合、個別の機器障害ではなく経路や電源の問題です。
4番目も重要です。設定変更や機器の追加の直後に障害が起きているなら、その作業が原因である可能性が高くなります。変更の記録があれば、切り分けが速くなります。