適用の判断を支援する機能と、実際に適用されているかを確認する方法をまとめます。設定して終わりにせず、結果を見る運用を作ってください。
Patch Intelligence AIでできること
更新プログラムに関する情報を収集し、適用の判断材料を提供する機能です。
判断に使える情報としては、次のようなものがあります。
- その更新で報告されている問題の有無
- 対象となる脆弱性の深刻度
- 適用の推奨度
これまで管理者が個別に情報を集めて判断していた作業を補助します。特に、問題が報告されている更新を配信前に把握できる点に価値があります。
推奨とオーバーライド
提示される推奨は判断材料であり、そのまま従う必要はありません。自社の事情に応じて上書きできます。
推奨に従わない判断が妥当なケースがあります。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 推奨されているが、業務アプリと互換性の懸念がある | 検証してから適用する |
| 推奨されていないが、深刻な脆弱性に対応する | リスクを比較して適用する |
| 社内で既に検証済み | 推奨の有無にかかわらず判断する |
【運用のポイント】 推奨と異なる判断をした場合、その理由を記録してください。後任者が「なぜこの更新だけ扱いが違うのか」を判断できるようにするためです。
適用状況の確認
ダッシュボードのPatchingタブから、状態別に絞り込んで確認できます。

PatchingはSoftware patchesとOS patchesに分かれ、それぞれ5つの状態で絞り込めるまずSoftware patches(サードパーティー製ソフトウェア)とOS patches(OSの更新)に分かれます。この2つは適用のサイクルも承認の方針も異なるため、分けて確認してください。
それぞれ次の5つの状態で絞り込めます。
| 状態 | 意味 | 確認する頻度 |
|---|---|---|
Pending | 承認待ち。まだ配信されていない | 週次 |
Approved | 承認済み。配信対象 | 必要時 |
Rejected | 却下。配信しない | 月次 |
Installed | 適用済み | 必要時 |
Failed | 適用に失敗した | 週次 |
PendingとFailedを定期的に確認してください。Pendingが滞留していれば承認の運用が止まっており、Failedが続いていれば個別の調査が必要です。
Rejectedは月次で見直してください。一時的に却下した更新が、そのまま忘れられていることがあります。
コンプライアンス状況の把握
適用率はダッシュボードとOrganizationダッシュボードで確認できます。
見るべき数字は3つです。
| 数字 | 意味 |
|---|---|
| 適用率 | 全体としての達成度 |
| 未適用の更新件数 | 残っている作業量 |
| 未適用のデバイス台数 | 対応が必要な対象 |
適用率だけを見ないでください。95%という数字が「5台に少数の更新が残っている」のか「5台がまったく更新されていない」のかで、意味がまったく異なります。
未適用デバイスの洗い出し
適用されていないデバイスを特定し、原因を切り分けます。
| 原因 | 見分け方 | 対応 |
|---|---|---|
| 長期間Offline | 最終接続日時が古い | 端末の所在を確認する |
| 適用時刻に電源が入っていない | クライアント端末に多い | 実行時刻を変更する、Wake-on-LANを使う |
| 再起動が保留されている | Uptimeが長い | 利用者に再起動を依頼する |
| 適用に失敗している | 実行履歴にエラー | 個別に原因を調べる |
| ディスク容量が不足 | 空き容量が少ない | 容量を確保する |
| Policyが未割り当て | Policy列が空 | Policyを割り当てる |
最後の項目は導入直後に起きやすい問題です。Policyが当たっていないデバイスは、そもそもパッチ管理の対象になっていません。一覧をPolicy列で並べ替えれば確認できます。
【注意】 「適用率95%」と報告する前に、残り5%の内訳を必ず確認してください。Policyが未割り当てのデバイスが含まれている場合、それは管理できていないデバイスであり、適用率の分母から漏れている可能性もあります。
適用に失敗した場合の切り分け
個別のデバイスで適用が失敗する場合、次の順で確認します。
- デバイス詳細画面の
Patchingタブでエラー内容を確認する Activitiesで実行履歴を確認する- ディスクの空き容量を確認する
- 通信が正常か確認する
- セキュリティー製品が阻害していないか確認する
同じ更新が複数デバイスで失敗している場合は、その更新自体に問題がある可能性があります。却下を検討してください。
定期的な確認の仕組み化
適用状況の確認を、担当者の記憶に頼らないでください。次のように仕組み化します。
| 頻度 | 確認内容 |
|---|---|
| 週次 | 適用に失敗したデバイスの有無 |
| 週次 | 再起動が保留されているデバイス |
| 月次 | 適用率の推移 |
| 月次 | 30日以上更新されていないデバイス |
| 四半期 | 除外設定の見直し |
保存した条件を作っておけば、確認は数分で終わります。作り方は検索・フィルター・保存ビューを参照してください。
定期レポートとして自動配信する方法はスケジュール配信と共有で扱います。