チケットの見せ方、対応の状態、対応期限を設計します。運用が始まってから変更すると混乱するため、最初に決めてください。
Boardの役割
Boardは、条件で絞り込んだチケットの一覧です。担当者ごと、種別ごとに見たいチケットだけを表示できます。
役割ごとにBoardを用意すると、それぞれが見るべきものだけを見られます。
| Boardの例 | 表示する条件 | 見る人 |
|---|---|---|
| 未割り当て | 担当者が決まっていない | 一次受け担当 |
| 自分の担当 | 自分に割り当てられている | 各担当者 |
| 期限が近い | SLAの期限まで残りわずか | 全員 |
| 高優先度 | 優先度が高い | 責任者 |
| 今日完了 | 本日解決したもの | 責任者 |
Boardを作りすぎないでください。見るべきものが分散すると、どれも見なくなります。担当者1人あたり2つか3つで足ります。
ステータスの設計
Statusは対応の状態を表します。多すぎても少なすぎても運用が滞ります。
出発点としては、次の構成をおすすめします。
| ステータス | 意味 |
|---|---|
| 新規 | 起票されたが未着手 |
| 対応中 | 担当者が対応している |
| 保留 | 依頼者や第三者の回答待ち |
| 解決済み | 対応は完了。依頼者の確認待ち |
| 完了 | 確認が取れて閉じた |
「保留」を用意することが重要です。これがないと、待ち状態のチケットが「対応中」に埋もれ、実際には何も進んでいないのに対応中として滞留します。
【運用のポイント】 「解決済み」と「完了」を分けてください。担当者が対応を終えた時点と、依頼者が納得した時点は別です。分けておくと、対応したつもりで解決していない案件を発見できます。
必要に応じて独自のステータスを追加できます。ただし、追加する前に「既存のステータスで表現できないか」を確認してください。
承認を伴うステータス
対応の実施前に承認が必要な案件では、承認用のステータスを設けられます。
| 場面 | 用途 |
|---|---|
| 費用が発生する対応 | 上長の承認を得てから実施 |
| 業務停止を伴う作業 | 業務部門の合意を得てから実施 |
| 権限の付与依頼 | 承認者の判断を経てから実施 |
承認の記録がチケットに残るため、後から経緯を確認できます。
SLAの設定と計測
SLAは対応の期限を定めるものです。設定すると、期限までの残り時間が表示され、超過が可視化されます。
設定する際は、優先度ごとに期限を変えます。
| 優先度 | 初回応答 | 解決 |
|---|---|---|
| 緊急 | 30分以内 | 4時間以内 |
| 高 | 2時間以内 | 1営業日以内 |
| 中 | 1営業日以内 | 3営業日以内 |
| 低 | 3営業日以内 | 期限なし |
この数値は例です。自社の体制で守れる水準に設定してください。守れない目標を設定すると、SLAの超過が常態化して意味をなさなくなります。
初回応答と解決を分けることを推奨します。すぐに解決できなくても、受け付けたことを早く伝えれば依頼者の不安は減ります。
対応時間の設定
SLAの計測を、営業時間内だけで行うか24時間で行うかを設定します。
| 設定 | 適した契約 |
|---|---|
| 営業時間内のみ | 平日日中対応の契約 |
| 24時間 | 24時間対応の契約 |
平日日中の契約で24時間計測にすると、金曜夕方の起票が月曜には期限超過になります。契約内容と一致させてください。
自動化の条件としてBusiness hoursを使えば、営業時間内外で処理を分けることもできます。設定方法は自動化トリガーの設定を参照してください。
運用開始後の見直し
設計は運用しながら調整します。次を定期的に確認してください。
| 確認内容 | 判断 |
|---|---|
| SLAの達成率 | 低いなら体制か目標を見直す |
| 保留のまま長期間経過したチケット | 追跡の仕組みが必要 |
| 使われていないステータス | 削除を検討する |
| 使われていないBoard | 削除を検討する |
| 未割り当てのまま滞留するチケット | 一次受けの体制を見直す |
【注意】 SLAの達成率が常に低い場合、担当者の努力不足ではなく設定が現実に合っていない可能性が高くなります。目標を守れる水準に修正するか、体制を増強するかを判断してください。守れない目標を掲げ続けると、SLA自体が無視されるようになります。