NinjaOneの管理単位となるOrganizationとLocationを設計し、作成します。この2つは後から変更しにくく、Agentのインストーラーもこの構造に紐づいて生成されます。Agentを展開する前に必ず決めてください。
OrganizationとLocationの関係
管理対象は3階層で整理されます。
| 階層 | 役割 |
|---|---|
| Organization | 最上位の管理単位。請求やレポートの集計単位にもなる |
| Location | Organizationの下位単位。物理的な拠点にあたる |
| デバイス | Agentを導入した個々の機器 |
デバイスは必ずいずれかのLocationに属します。Locationを指定せずにデバイスを登録することはできません。
重要なのは、Policyの割り当てがこの階層に沿って決まる点です。新しく登録されたデバイスには、所属するLocationに設定されたPolicyが自動で適用されます。
設計パターン
MSPの場合:顧客企業をOrganizationにする
受託管理では、顧客企業を1つのOrganizationとし、その拠点をLocationにします。
Organization: 株式会社A商事
├─ Location: 本社
├─ Location: 大阪支店
└─ Location: 福岡営業所
請求とレポートが顧客単位でまとまるため、月次報告がそのまま出せます。
社内利用の場合:会社や事業部をOrganizationにする
自社管理では、法人単位または事業部単位でOrganizationを作ります。
Organization: 自社
├─ Location: 本社ビル
├─ Location: 研究所
└─ Location: リモートワーク
Organizationを1つだけにする構成も可能です。ただし、将来グループ会社を管理対象に加える可能性があるなら、最初から分けておく方が移行の手間を避けられます。
「リモートワーク」のような物理拠点ではないLocationを作るのは実務上よくある工夫です。持ち出し端末をまとめて別のPolicyで管理できます。
命名規則の決め方
名前は一覧とレポートに表示され、検索の手がかりにもなります。次の3点を決めておいてください。
- 会社名の表記をそろえる(正式名称か略称か、法人格を含めるか)
- 拠点名の粒度をそろえる(ビル単位か、フロア単位か)
- 並び順を意識する(一覧は名前順に並ぶため、地域コードなどを先頭に置くと整理しやすい)
【注意】 Location名に日付や担当者名を入れないでください。引き継ぎ時に意味が失われます。
Organizationの作成手順
画面上部の+からOrganizationを選ぶと作成できます。作成時に指定するのは名前と基本情報です。
作成直後にやっておくべきことが2つあります。1つはデフォルトのPolicyを割り当てること、もう1つは少なくとも1つLocationを作ることです。Locationがないとデバイスを登録できません。
Locationの作成手順と設定項目
Locationを開いて編集すると、複数のタブが表示されます。

Edit LocationのPoliciesタブ。Policy location overridesを有効にすると、Location単位でPolicyを割り当てられるタブはGeneral、WSUS、Backup、Policiesに分かれます。設計上最も重要なのはPoliciesタブです。
Policy location overridesを有効にすると、そのLocationだけ別のPolicyを適用できます。無効のままなら、Organizationに設定されたPolicyがそのまま継承されます。
割り当てはDevice Roleごとに行い、さらに次の4種類に分かれます。
| 区分 | 対象 |
|---|---|
Agent Policies | Agentを導入したデバイス |
NMS Policies | ネットワーク機器 |
Virtualization | 仮想化基盤 |
MDM Policies | モバイルデバイス |
【運用のポイント】 Location単位の上書きは便利ですが、増やしすぎるとどのデバイスにどのPolicyが当たっているか追えなくなります。原則はOrganizationのデフォルトを使い、拠点固有の事情がある場合だけ上書きしてください。上書きしたLocationは一覧にして管理することをおすすめします。
後から変更する場合の注意点
構造を変更する場合、影響範囲は次の通りです。
| 変更内容 | 影響 |
|---|---|
| Location名の変更 | 影響は小さい。表示名が変わるだけ |
| デバイスの所属Location変更 | 適用されるPolicyが変わる。監視設定が意図せず変わることがある |
| Organizationの統廃合 | レポートの集計単位が変わる。過去分との比較ができなくなる |
| 既存インストーラーの扱い | 旧構造に紐づいたインストーラーは使えなくなる。作り直しが必要 |
デバイスの所属を移す場合は、移動先のPolicyが移動元と同じ監視設定になっているかを先に確認してください。