スマートフォンやタブレットを管理する機能です。Agentによる管理とは仕組みが異なるため、前提と制約を最初に理解してください。
Agentによる管理との違い
PCとモバイルデバイスでは、管理の仕組みが根本的に違います。
| Agentによる管理 | MDMによる管理 | |
|---|---|---|
| 仕組み | 常駐プログラムが動作する | OSの管理機能を通じて制御する |
| 制御の範囲 | 幅広い操作が可能 | OSが許可した範囲に限られる |
| スクリプト実行 | できる | できない |
| リモート操作 | 画面共有が可能 | 制限される |
| 情報の収集 | 詳細に取得できる | 取得できる範囲が限られる |
MDMではOSが許可した範囲でしか制御できません。「PCと同じことができる」という期待で導入すると、できないことの多さに戸惑います。
対応するデバイス
| OS | 管理方法 |
|---|---|
| iOS / iPadOS | MDMのみ |
| Android | MDMのみ |
| macOS | AgentとMDMの併用 |
macOSは例外です。Agentで詳細な管理を行いつつ、MDMで権限の事前承認や構成プロファイルの配布を行います。詳細はmacOSの登録を参照してください。
登録方式の違い
デバイスの所有形態によって、管理できる範囲が変わります。
| 方式 | 所有 | 管理できる範囲 |
|---|---|---|
| 会社所有として登録 | 会社 | デバイス全体 |
| BYODとして登録 | 個人 | 業務領域のみ |
BYODでは、個人の写真や連絡先には触れられません。業務データだけを管理し、退職時には業務領域だけを消去します。
会社所有のデバイスでは、より強い制御が可能です。アプリのインストール制限、機能の無効化、完全な初期化などが行えます。
【運用のポイント】 所有形態を曖昧にしないでください。「会社が買ったが私物としても使っていい」という運用は、管理の範囲を決められません。会社所有なら会社所有として登録し、私的利用の可否は別途ルールで定めてください。
事前に必要な準備
登録の前に、プラットフォームごとの準備が必要です。
| プラットフォーム | 必要な準備 |
|---|---|
| iOS / iPadOS / macOS | Appleのプッシュ通知証明書、Apple Business Managerの登録 |
| Android | Android Enterpriseの設定、Googleアカウントの紐づけ |
いずれも、NinjaOne側だけでは完結しません。AppleやGoogleのサービス側での作業が必要です。
これらの準備には、組織を代表するアカウントが必要になります。個人のアカウントで設定すると、その人が退職したときに管理できなくなります。
【注意】 証明書やトークンには有効期限があります。期限が切れると、管理対象のデバイスとの通信ができなくなります。しかも、既存のデバイスを登録し直す必要が生じる場合があります。有効期限をカレンダーに登録し、期限前に更新してください。
取得できる情報の範囲
MDMで取得できる情報は、Agentと比べて限られます。
| 情報 | 取得の可否 |
|---|---|
| デバイスの機種、OSバージョン | 取得できる |
| インストール済みアプリ | 取得できる(BYODでは業務アプリのみ) |
| ストレージの使用状況 | 取得できる |
| 位置情報 | 設定により取得できる |
| 個人のデータ | 取得できない |
BYODでは特に制限されます。個人領域の情報は取得も操作もできません。これはプライバシー保護の仕組みであり、制約ではなく前提として扱ってください。
導入前に決めること
| # | 決めること |
|---|---|
| 1 | 対象デバイスの所有形態 |
| 2 | 会社所有かBYODか |
| 3 | どこまで制御するか |
| 4 | 紛失時の対応手順 |
| 5 | 退職時の解除手順 |
3番目は利用者との合意が必要です。カメラの無効化、アプリのインストール制限などは、業務上の必要性と利用者の利便性のバランスで決めてください。