利用者が自分でチケットを作成する仕組みと、日々のチケット運用について説明します。
エンドユーザーポータルからの起票
利用者が専用の画面から依頼を送れます。メールと違い、必要な情報を確実に集められる点が利点です。
| 経路 | 情報の質 | 利用者の手間 |
|---|---|---|
| メール | 不足しがち。追加で聞き直す | 少ない |
| ポータル | フォームで必須項目を指定できる | やや多い |
両方を併用するのが現実的です。急ぎの依頼はメール、定型の申請はポータル、という使い分けができます。
利用者はポータルで自分のチケットの状況も確認できます。「対応はどうなっていますか」という問い合わせが減ります。
SysTrayからの起票
デバイスに常駐するSysTrayから、直接チケットを作成できるように設定できます。
利用者にとっては最も手間が少ない経路です。困ったときにその場から依頼を送れます。
設定方法はブランディングとSysTrayの設定を参照してください。
【運用のポイント】 この経路で起票されたチケットには、対象デバイスが自動で紐づきます。「どのパソコンですか」と聞き直す必要がなくなるため、対応の初動が速くなります。
エンドユーザーの権限設定
利用者ごとに、チケットに関する権限を設定します。

Ticketingを有効にしたうえで、アクセスの範囲を指定する設定する項目は2つです。
| 項目 | 選択肢の例 |
|---|---|
Ticketing access | View, Update, Createなど、操作の範囲 |
Organization-wide ticketing access | 組織内の全チケットを見られるか |
2番目が重要です。Allowedにすると、その利用者は同じ組織の他の人が起票したチケットも閲覧できます。
| 設定 | 適した相手 |
|---|---|
| 許可しない | 一般の利用者。自分の依頼だけを見る |
| 許可する | 部門の管理者、情報システムの窓口担当 |
【注意】 初期設定のまま全員に組織全体のアクセスを許可しないでください。チケットには機器の不具合だけでなく、人事や経理に関する依頼が含まれることがあります。他部署の依頼内容が見える状態は、情報管理上の問題になります。
依頼フォームのカスタマイズ
フォームの項目を調整できます。何を必須にするかで、集まる情報の質が変わります。
依頼の種類ごとに、必要な項目を検討してください。
| 依頼の種類 | 集めたい情報 |
|---|---|
| 障害の報告 | いつから、どんな症状、直前に何をしたか |
| ソフトウェアの導入依頼 | 製品名、必要な理由、希望時期 |
| 権限の申請 | 対象システム、必要な権限、上長の承認 |
| 機器の手配 | 用途、必要時期、設置場所 |
項目を増やしすぎると、利用者が入力を面倒がってメールに戻ります。本当に必要な項目だけにしてください。
チケットの割り当てと引き継ぎ
一次受けから担当者への割り当ては、自動化と手動を組み合わせます。
自動割り当てができるのは、種別や内容から担当が決まる場合です。判断が必要な場合は、一次受け担当が振り分けます。
引き継ぐ際は、次を記録してください。
- これまでに確認したこと
- 分かっていること
- 次に何をすべきか
記録がないと、引き継がれた側が最初から調査をやり直すことになります。依頼者にとっては、同じ質問を二度されることになります。
マージ・分割・削除
| 操作 | 使う場面 |
|---|---|
| マージ | 同じ事象で複数のチケットが起票された |
| 分割 | 1つの依頼に複数の案件が含まれていた |
| 削除 | 誤って作成された |
マージは障害発生時によく使います。1つの障害で複数の利用者から報告が来ると、同じ内容のチケットが並びます。統合すれば、対応の記録が1カ所にまとまります。
削除は慎重に行ってください。対応の記録が失われます。誤起票以外は、状態を「完了」にして閉じる方が適切です。
時間の記録と請求連携
対応にかかった時間を記録できます。自動化のAdd timeで自動記録することも可能です。
記録した時間の使い道は次の通りです。
| 用途 | 内容 |
|---|---|
| 工数の把握 | どの種別にどれだけ時間を使っているか |
| 体制の検討 | 人員が足りているかの判断材料 |
| 請求 | 従量課金の契約での算定根拠 |
| 改善の優先順位 | 時間を消費している作業の特定 |
4番目が改善につながります。集計して「パスワードリセットに月20時間使っている」と分かれば、自動化やセルフサービス化を検討する根拠になります。
MSPで従量課金の契約がある場合、記録した時間がNinjaOne Billingでの請求算定に使えます。
日々の運用で確認すること
| 頻度 | 確認内容 |
|---|---|
| 日次 | 未割り当てのチケット |
| 日次 | SLAの期限が近いチケット |
| 週次 | 保留のまま動いていないチケット |
| 週次 | 解決済みのまま閉じられていないチケット |
| 月次 | 種別ごとの件数と傾向 |
| 月次 | 対応時間の集計 |
3番目と4番目が滞留の温床です。保留は依頼者や第三者の回答待ちですが、回答が来ないまま忘れられることがあります。定期的に棚卸ししてください。
【運用のポイント】 月次で件数の傾向を確認してください。同じ種類の問い合わせが増えているなら、根本的な対策の検討時期です。個別対応を繰り返すより、原因を1つ潰す方が総工数は少なくて済みます。