検知した事象を、適切な相手に適切な手段で届けます。チャネルの作成手順は通知先(メール・SMS・ウェブフック)の設定で扱っているので、ここでは設計と運用を説明します。
通知先の設計
チャネルは受け手ごとに作ります。「誰に届けるか」で選べる状態にしておくと、Conditionの設定が簡潔になります。
| チャネル名の例 | 受け手 | 手段 |
|---|---|---|
| 情シス共通 | 情報システム部門全体 | |
| 運用チーム | 日常運用の担当者 | Slack |
| 夜間オンコール | 当番担当者 | SMS |
| インフラ責任者 | 管理職 | |
| SIEM連携 | 監視システム | ウェブフック |
個人宛てのチャネルは作らないでください。担当者が変わるたびに設定変更が必要になります。
重要度とチャネルの対応
アラート設計のベストプラクティスで決めた3段階を、チャネルに対応させます。
| 重要度 | 営業時間内 | 営業時間外 |
|---|---|---|
| 緊急 | Slack+Email | SMS |
| 要対応 | Slack | 翌営業日にEmail |
| 記録のみ | 通知しない | 通知しない |
この対応表を先に作ってから個別のConditionを設定すると、判断がぶれません。
時間帯による通知先の切り替え
夜間や休日は、通知先を変えるのが一般的です。
考え方は次の通りです。
- 営業時間内は、チームのチャンネルに流す
- 営業時間外は、緊急のものだけをオンコール担当に送る
- 営業時間外の要対応は、翌営業日にまとめて確認する
2番目の「緊急のものだけ」の切り分けが重要です。夜間に呼び出す基準を明文化しておかないと、当番担当者の判断に委ねられ、負担が偏ります。
【運用のポイント】 夜間に呼び出す条件は、書面で合意してください。「基幹サーバーの停止」「複数拠点にまたがる障害」のように具体的に定義します。定義がないと、呼び出されなかったことが後で問題になるか、逆に不要な呼び出しで当番が疲弊します。
エスカレーションの設計
一次受けの担当者で対応できない場合の手順を決めます。
| 段階 | 対応者 | 移行の条件 |
|---|---|---|
| 一次 | ヘルプデスク | 検知直後 |
| 二次 | インフラ担当 | 一次で30分以内に解決しない |
| 三次 | 責任者・ベンダー | 二次で1時間以内に解決しない、または影響が拡大 |
段階を分ける目的は、対応の遅れを防ぐことです。一次担当が抱え込んだまま時間が過ぎる状況を、時間で区切ることで防ぎます。
NinjaOneの機能だけでエスカレーションを完全に自動化するのは難しいため、次のように組み合わせるのが現実的です。
- 検知と一次通知はNinjaOneで自動化する
- 二次以降への移行は、チケットのSLAと組み合わせる
- 高度なオンコール管理が必要なら、PagerDutyとの連携を検討する
チケットのSLA設定はBoard・ステータス・SLAの設定で扱います。
チケットの自動起票と組み合わせる
通知だけでは、対応したかどうかが記録に残りません。対応の記録を残したい事象は、チケットを自動起票する設定にしてください。
| 事象 | 通知 | チケット |
|---|---|---|
| 基幹サーバーの停止 | 必要 | 必要 |
| バックアップの連続失敗 | 必要 | 必要 |
| ディスク容量の逼迫 | 必要 | 必要 |
| 一時的なリソース上昇 | 不要 | 不要 |
設定方法は自動化トリガーの設定を参照してください。
通知が届かない場合の確認手順
通知が来ないという状況では、次の順で切り分けます。
- Conditionが検知しているか(デバイス詳細画面の
Health issues) - Conditionに通知の動作が紐づいているか
- 通知チャネルが有効になっているか
- チャネルの
Last errorにエラーが記録されていないか - 受信側で迷惑メールに振り分けられていないか
4番目は見落とされがちです。連携先の仕様変更やトークンの失効で、チャネルが静かに止まっていることがあります。
【注意】 通知チャネルは、設定した直後は動いていても後から止まることがあります。月に一度テスト通知を送り、全チャネルが機能していることを確認してください。障害発生時に「通知が来なかった」と気付くのでは手遅れです。