Agentがどのように動作し、管理基盤と何をやり取りしているかを説明します。仕組みを理解しておくと、デバイスがOfflineになったときの切り分けが速くなります。
Agentが担う役割
Agentは管理対象のデバイスに常駐するプログラムで、2つの役割を持ちます。
1つは情報を集めることです。ハードウェア構成、インストール済みソフトウェア、リソースの使用状況、パッチの適用状態などを定期的に収集し、管理基盤へ送ります。
もう1つは指示を実行することです。管理コンソールで実行したスクリプト、パッチ適用、再起動などの操作は、Agentがデバイス上で実行します。
Agentはシステム権限で動作します。ログインユーザーが不在でも処理を実行できるのはこのためです。
通信の向きと経路の維持
Agentは自分から管理基盤へ接続し、その経路を維持し続けます。管理基盤の側からデバイスへ接続しにいくことはありません。
管理コンソールで「再起動」を実行したとき、その指示は管理基盤からデバイスへ直接届くのではなく、Agentが維持している経路を通って渡されます。
この方式のため、社外に持ち出したノートPCでも、インターネットにつながっていれば同じように管理できます。通信の許可設定はネットワーク要件と通信の許可設定を参照してください。
インストール後の初回同期
Agentをインストールすると、次の順で処理が進みます。
- 管理基盤へ接続し、デバイスとして登録される
- 所属するOrganizationとLocationが確定する
- 該当するPolicyが適用される
- 初回のインベントリー収集が実行される
デバイス一覧に表示されるのは1番目の直後ですが、詳細画面の情報が揃うのは4番目が終わってからです。インストール直後に情報が空欄でも、数分待てば埋まります。
【注意】 2番目でPolicyが自動的に決まります。インストーラーを取り違えると、意図しないPolicyが適用された状態で稼働します。監視が効いていないことに気付かないまま運用が始まるため、インストール後は必ず適用Policyを確認してください。
通信間隔と送信されるデータ
Agentの通信は性質の異なる2種類に分かれます。
| 種類 | 頻度 | 内容 |
|---|---|---|
| 死活の維持 | 短い間隔 | 接続が生きていることの確認。データ量はごくわずか |
| インベントリーの送信 | 長い間隔 | ハードウェアとソフトウェアの構成情報。まとまったデータ量 |
帯域が細い拠点で問題になるのは、Agentの常時通信ではなくパッチの配信です。数百MBの更新プログラムを同時に多数のデバイスへ配信すると回線を圧迫します。対策は承認・却下・リング展開・Staggerで扱います。
Agentのバージョン管理と自動更新
Agentは自動で更新されます。管理者が個別に更新作業を行う必要はありません。
適用されているバージョンはデバイス詳細画面で確認できます。特定のデバイスだけ古いバージョンにとどまっている場合、通信が阻害されている可能性があります。
サービスが停止した場合の挙動
Agentが動作していないデバイスは、管理コンソール上でOfflineと表示されます。ただしOfflineの原因は1つではありません。
| 原因 | 見分け方 |
|---|---|
| デバイスの電源が入っていない | 業務時間外なら正常。日中に続く場合は要確認 |
| ネットワークにつながっていない | 同じ拠点の他のデバイスもOfflineか |
| 通信が遮断されている | 特定拠点だけまとめてOfflineになる |
| Agentのサービスが停止している | デバイスは動いているが1台だけOffline |
| Agentが削除された | 意図しない削除か、端末の廃棄漏れか |
最後の2つは、デバイス側で直接確認する必要があります。切り分けの手順はよくあるトラブルと切り分けにまとめています。
【運用のポイント】 Offlineが一定期間続いたデバイスを検知するConditionを設定しておくと、廃棄済みなのに台帳に残っている端末を洗い出せます。資産管理の精度が上がります。